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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第51話
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長距離導力砲なんだってな。」
「私もスペックしか知らないけど恐ろしいほどの破壊力よ。共和国とメンフィル帝国と領有権争いをしていた”クロスベル自治州”の全域をカバー。たった2時間で、人口50万ものクロスベル市を壊滅できるらしいわ。」
「………とんでもないな。戦争というより、虐殺にしか結びつかないと思うんだが……」
アリサの話を聞いたリィンは溜息を吐いた後複雑そうな表情をした。
「ええ、私もそう思う。そして……母が受注したその兵器の完成に立ち会った祖父も同じだった。何というバチ当たりな兵器を造ったんだろうって悩んだみたい。そして、帝国軍に2門の列車砲を引き渡すか迷っていたところで……取締役だった母の裏切りに遭った。」
「え―――――」
「ラインフォルトグループの大株主全員を味方につけたのよ。ルーレの領主であるログナー侯爵から帝国軍の有力人物まで……貴族派・革新派双方の意を受けてお祖父様は退陣を余儀なくされ……母の新会長への就任が決定した。」
「…………………」
悲しそうな表情で答えたアリサに言葉がかけられないリィンは黙り込んだ。
「お祖父様は……私を残してラインフォルトを去った。味方だと思ってたシャロンも雇い主である母に従うだけだった。それが――――5年前の出来事よ。」
「そうか…………………アリサは……納得が行かなかったんだな?お母さんのした事というより”家族”が壊れてしまったことが。」
アリサの過去を聞き終えたリィンは考え込んだ後、アリサが士官学院に来た理由に気付いてアリサに視線を向けた。
「ええ………そうね。実の親を陥れた母様も、それをただ受け入れたお祖父様も私は納得が行かなかった……あれだけ優しかったシャロンが何も言ってくれなかったことも。ラインフォルトグループの存在が私が思っているより遥かに巨大で………その重みの前には、家族の絆なんて意味がないなんて絶対に認めたくなかった。だから私は――――実家を出て士官学院に入ったのかもしれない。」
「…………………」
アリサの説明を聞いたリィンはアリサを見つめて黙り込んだ。
「ふふっ、でも結局全然、母と家から逃げられなくて。お祖父様はお祖父様で飄々と第二の人生を楽しんでて。私一体何をやっているんだろうって一時期滅入ってた所だったけど……………―――この星空を見上げたらどうでも良くなっちゃったわ。やっとわかった気がする。どうしてお祖父様がこの地に移り住んだのかを。」
「そっか……―――やっぱりアリサは強いな。こうして俺に色々と話してくれたってことは………多分、前に進めるきっかけが掴めたってことだろう?」
静かな笑みを浮かべて星空を掴むかのように片手を上げたアリサに続
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