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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第51話
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慮なく。」

「うむ!歓迎してくれた礼に後で我の演奏を聞かせてやろう!」

グエンの言葉にラカンとアムドシアスは頷き

「うふふ、まさか貴女とお酒を酌み交わす時が来るとは思いませんでしたわ、リザイラ。」

「ふふふ、それはこちらの台詞ですよ、フィニリィ。精霊を統べる者達がこうして酒を酌み交わす等、もしかしたら初めてかもしれませんね。」

フィニリィとリザイラは微笑みながら互いの酒を酌み交わし

「フィニリィ様とリザイラ様はよくお酒なんて飲めるよね?果物の方が甘くて美味しいのに。」

二人の様子を見ていたミルモは首を傾げ

「それにしても気付けば凄いメンツが集まったものねぇ。魔神が二柱に精霊の王族が二人もいるなんて。」

「アハハ……ボクとミルモだけ何だか場違いな気がしてきたよ……」

ベルフェゴールとペルルはそれぞれ苦笑しながら周囲を見回した。



「いや〜、何というか驚いたね。あのグエン・ラインフォルトがこんな場所で暮らしてたなんて。」

一方その様子をリィン達と同じテーブルでご馳走を食べていたカメラマンのノートンは目を丸くしてグエンを見つめた。

「やっぱりその筋では有名な人なんですよね?」

「そりゃあ、導力革命を受けてラインフォルトをあそこまで巨大なグループにした立役者だからね。娘さんが会長を継いでからはさらに巨大になったけど。」

「ラインフォルトと言えば昔は火薬を使った銃や大砲を手がける武器工房というイメージだったが……いつの間にか、鉄道や導力兵器を大々的に手がけていたような印象だな。」

リィンの疑問に答えたノートンの説明を聞いたユーシスは自分が感じていた事を口にした。



「ああ、貴族の人にとったらそんな感覚かもしれないですね。実際、ラインフォルトは帝国だけじゃなく大陸諸国でも手広く販路を拡大している上異世界にも進出しようとしている噂もあるぐらいだし……その意味では、帝国では珍しい”国際人”ともいえるかもしれない。」

「なるほど………」

「物知りとは思ったが、そこまでの人物だったとは……」

グエンの過去を知ったガイウスは驚いた様子で話を聞いていた。



「しかし、その彼がどうして会長を辞めたのかは謎なんだよな。一説には病気と言われてたけど見た感じ全然元気そうだし。こりゃあ、あの噂の方が正しかったのかもしれないな。」

「あの噂?」

「なんだそれは?」

ノートンが呟いた言葉が気になったリィンとユーシスは不思議そうな表情で尋ね

「おっと、何でもない。ゴシップみたいなものさ。俺はブン屋じゃないからね。不確かな噂は控えておくよ。」

尋ねられたノートンは答えを誤魔化した。




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