第55話
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〜バレンヌ灯台〜
「あの建物って……」
「バレンヌ灯台……。ルーアン市が管理する建物だな。確か、灯台守のオッサンが1人で暮らしていたはずだが……」
灯台を見上げて呟いたエステルの言葉にアガットは灯台を睨みながら答えた。
「でも、間違いありません。先生たちを襲った人たちはあの建物の中にいると思います。」
「となると、犯人に灯台内を占領されている可能性が高そうだね。」
確信を持ったクロ―ゼの答えを聞き、ヨシュアは真剣な表情で灯台を見た。
「見たところ……入口はあそこだけみたい。とにかく入ってみるしかないか。」
「はい……」
エステルの言葉に頷いたクロ―ゼはエステル達と共に進もうとした時、アガットに呼び止められた。
「ちょっと待ちな。嬢ちゃん、あんたは……」
「この目で確かめてみたいんです。」
「なにぃ?」
クロ―ゼを村に帰そうと思ったアガットだったが、クロ―ゼの言葉に首を傾げた。
「誰がどうして、先生たちをあんな酷い目に遭わせたのか……。だから……どうかお願いします。」
「そ、そうは言ってもな……」
「あーもう。ケチなこと言うんじゃないわよ。この場所が判ったのはクローゼたちの手柄なんだから。」
「彼女の腕は保証しますよ。少なくとも、足手まといになる心配はないと思います。」
一般市民であるクロ―ゼがついて来る事に渋るアガットにエステルとヨシュアが援護した。
「エステルさん、ヨシュアさん……」
「ち……勝手にしろ。だがな、相手はカルナを戦闘不能に追いやった連中だ。くれぐれも注意しとけよ。」
押し問答している時間はないと思ったアガットは折れて、クロ―ゼに忠告した。
「はい、肝に銘じます。」
「……そこの2人も大丈夫だろうな?怪我しても知らねぇぞ?」
クロ―ゼの答えを聞いたアガットはペルルやマーリオンにも忠告した。
「大丈夫!こういう事には慣れているから!それにボクはこう見えても、結構戦えるよ?」
「私達の事は……心配……ありません……」
「チッ、どいつもこいつも好きにしやがれ。」
2人の答えにアガットは諦めて舌打ちをした。
「それじゃ、決まりね。」
「うん……。さっそく中に入ろう。」
そしてエステル達は灯台の中へ入った。
〜バレンヌ灯台内・1階〜
灯台に入るとそこには、レイヴンのメンバーがいた。
「こ、こいつら!?」
「あ、あの時の人たち……」
レイヴンのメンバーを見てエステルとクロ―ゼは驚いた。
「まさかとは思ったが……おい、てめえら……。こんな所で
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