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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
外伝〜白き翼と闇王〜前篇
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少し席を外します。だから、ちょっとだけ待ってて下さい!」

「あ、クローゼ!」

呼び止めるエステルの声を背中に受け、クローゼは急いで講堂を出て、頼もしい友人を呼んだ。



「ジーク!」

「ピューイ!」

クローゼに呼ばれたジークは空から飛んできて、クローゼの肩に止まった。

「………プリネさんを探して貰えるかしら?校舎内のどこかにいると思うから。」

「ピュイ!」

クローゼの言葉を理解したジークは飛び立ち、クローゼ自身もプリネやリウイを走って探し始めた。そしてしばらく探すと、フィリップや親衛隊員達に何度も頭を下げられ、それを優しく諭しているペテレーネとティアを見つけた。

(あの方はもしや………ペテレーネ様!?それに横にいるのはティア様……!よかった、まだリウイ陛下は去っていないようですね……)

リウイの側室であるペテレーネを見つけ驚いたクロ―ゼだったが、常にリウイの傍にいるペテレーネを見て、リウイはまだ学園を去っていないと思い、安堵の溜息を吐いた。そしてフィリップと気絶したデュナンを背負った親衛隊員達がペテレーネとティアに何度も頭を下げた後、学園から去って行き、それを見送ったペテレーネとティアはどこかに向かって歩き出した。

(………もしかして、リウイ陛下の所かしら?あの方向は確か……旧校舎ですね……)

物陰に隠れてペテレーネとティアが歩いて行った方向を見送ったクローゼは2人の行き先を推測した。そこにジークが再びやって来てクローゼの肩に止まった。

「ピューイ!」

「ジーク!プリネさんを見つけたの?」

「ピュイ。」

クローゼの言葉に答えるようにジークは飛び上がり、案内をするようにゆっくり飛んで進み始めた。

「……どうやらプリネさんも旧校舎にいるようですね………………………(迷っていてはいけない……よし!)」

もしリウイがプリネといっしょにいた時、自分の正体がバレてしまう事を恐れて迷っていたクローゼだったが、迷いを振り切り、ジークを追いかけた………
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