外伝〜白き翼と闇王〜前篇
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だ。エステルはその人の名を聞いて、何も思わなかったのかい?」
「う、うん。な〜んか、どっかで聞いた事はある名前なのよね……」
ヨシュアの質問にエステルは首を傾げながら答えた。
「……その名を名乗る事を許されているのは世界で唯一人。………異世界の王にして、”闇夜の眷属”を束ねる王………前メンフィル皇帝、リウイ・マーシルン陛下唯一人です、エステルさん。」
「あ、あ、あんですって〜!?」
クロ―ゼの説明にエステルは信じられない表情で叫んだ。
「道理でどっかで見た事あると思ったぜ……社会科を履修しているし、もちろんメンフィルの重要人物の事は全て覚えたのに、なんですぐにわからなかったんだ俺は……!」
「しょうがないんじゃない?だって、あんた教科書に載っていたリウイ皇帝陛下の顔に落書きしていたじゃない。」
「うぐ!それは……!」
ジルの言葉にハンスは後ずさった。そしてクローゼは驚いた表情でハンスに尋ねた。
「まあ………どうしてそのような事を?」
「いや、まあ………なんというか……ほら、メンフィル皇帝の周りって側室や大将軍、闇の聖女と女性だらけでしかも全員美人じゃねえか。しかも、高齢のアリシア女王より年上って言われているのに俺達のちょっと上程度にしか見えない上、イケメンだし。ある意味男の敵だろ?嫉妬心でついやっちまったんだよな……ヨシュアなら、俺の気持ち、わかってくれるよな!?」
「ごめん。全然わからない。」
ハンスに同意を求められたヨシュアは笑顔で否定した。
「この裏切り者め〜………」
「はいはい。」
ヨシュアの答えを聞いたハンスは恨みごとを呟きながら、ヨシュアを睨んだ。睨まれたヨシュアは相手にしなかった。
「…………………」
「エステルさん、どうしたんですか?」
リウイの正体を知り呆けているエステルを不思議に思ったクロ―ゼが話しかけた。
「ふえっ!?な、何かな!?」
「エステルさん、リウイ皇帝陛下の事を知ってからずっと呆けていましたけど、どうかしたんですか?」
「う、うん。ちょっとね……(なんだろう?初対面だったはずなのに、どっかで見た事あるのよね……それにあの人といっしょに戦った時、黒髪の女の人と金髪の女の人があのリウイって人と肩を並べて戦っている後ろ姿が一瞬見えたのはなんだろう……?)」
「?」
言葉を濁すエステルにクロ―ゼは首を傾げた。そしてエステルは慌てて話題を変えた。
「そ、それにしても、さすがはメンフィル帝国の元、王様よね〜。剣の腕も凄かったけど、こう……なんていうか、纏っている雰囲気が桁違いに凄かったわ……あの威張った公爵さんとは全然違うわ。……今考えるとまさに
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