〜白き花のマドリガル〜中篇
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?お前まで何を言う!」
ようやく事情がわかったエステルは自分なりに考えたセリフを言って、クロ―ゼを驚かせた。
「……賊は姫様や父上に議長、そして民達を狙っているのだ。この場で守れるのは自分とオスカー、そして騎士団長だけだ。騎士団長だけでは人手が足りない。だから、オスカー!お前は騎士団長と共に姫様や民達を護れ!ここは自分と黒騎士殿が抑える!」
「ユリウス……わかった!皆!自分と騎士団長に着いて来てくれ!命に代えても皆の命を自分が守る!」」
自分達を避難させようとしているエステルの意図を理解したクロ―ゼは迷ったが、エステル達に任せる事を決断して、生徒達やパズモ達に呼びかけた。
「ユリウス!……気をつけろよ!」
「オスカー、お前もな!……団長、お願いします!」
「わかった。……さあ、姫様。ここはユリウスに任せて非難を……」
プリネはヨシュアに舞台脇に引っ込むように促した。
「ユリウス!」
「……心配なさらないで下さい、姫。このユリウス、賊ごときでやられなどしません。必ず姫の元に参ります。」
「……約束……ですよ。」
そしてエステル、プリネ、リウイ以外は全員舞台脇に引っ込んだ。
「ミリガン殿!……こちらの剣を!」
プリネは自分が持っている競技用のレイピアを鞘に収めたままリウイに投げた。投げられた鞘をリウイは振り向いて取った。
「私は予備の剣があります!ですから私に代わり、賊達に裁きを!」
「(………フッ、なるほど。競技用で刃が落とされているから多少本気を出しても重傷を負わす心配はないな。観客達の事も考えての上とは、なんとしても劇を成功させたいようだな。)ありがたく、団長殿の剣を今だけは使わせていただく。だから、団長殿は姫や民達の守りに専念するがよい。」
「はい!」
そしてプリネも舞台脇に引っ込んだ。リウイは、愛剣を鞘に収め競技用のレイピアを鞘から抜いて構えた。エステルもリウイの横に並ぶような位置でレイピアを構えた。そしてエステルは小声でリウイに話しかけた。
(どこの誰だか知らないけど、あたしも戦わせてもらうわ!)
(……こんな雑魚共、俺一人で十分だ。なぜお前も戦う?)
(そんなの決まっているじゃない!今日までみんなが楽しみにしていたあたし達の劇を滅茶苦茶にしたあのオジサンが許せないに決まっているでしょ!一発ブッ飛ばさないと気がすまないわ!)
(………そうか。武器はそれで大丈夫か?)
(う……実はちょっと自信がなかったり……父さんやプリネに習ってある程度はできるけど、棒とは勝手が違うし……カーッとなってついこの場に留まっちゃったのよね………)
リウイの言葉にエステルは図星をさされたか
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