〜白き花のマドリガル〜中篇
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帝ザムザ』の主人公のライバル役がいましたね。……よし、そのライバル役の名前でこの場を誤魔化しましょう。……お父様やエステルさん達が私の意図に気付いてくれればいいのですが……)おお!貴公は誰にも仕えない自由騎士として名高い黒騎士ミリガン!まさか、このような窮地に助太刀してくれるとは……ありがたい!」
なんとか観客達に今の状況も演出であることに思わせるために、プリネは一瞬で考えてリウイの役者名とセリフを言った。そしてプリネの意図に気付いたクロ―ゼとヨシュアが即座に思い付いたセリフで劇の雰囲気を戻そうとした。
「なんと……!騎士団長以上の強さと言われるあの”黒騎士”!!」
「まあ……!どうしてリベールに……?」
セシリア姫の口調でヨシュアはリウイが自分達の意図に気付いてくれる事を祈ってリウイに問いかけた。
「(………フッ、なるほど。今の状況すら利用して劇を成功させるつもりか。……プリネも考えたな。………いいだろう、ここは父親として娘の願いを聞いてやるか……)…………長年追っていたさまざまな国で王家を語る偽物の集団の足取りがようやく掴めたから、今ここにいる……それだけだ。」
プリネ達の意図を理解したリウイは一瞬口元に笑みを浮かべた後、厳かな口調で言った。
「なっ!?この私が偽物だと!?」
リウイに偽物と言われたデュナンは顔を真っ赤にして怒った。
(な〜んだ。芝居だったのか。ビックリしたぜ〜。)
(………本当にお芝居かしら?)
(ママ……)
(ご主人様……)
プリネ達のフォローのお陰で孤児院の子供達はある程度信じたが、マリィは疑い、ミントとツーヤは心配した。
(あら?あの方は………!!)
(リ、リウイ皇帝陛下!?まさか、来ていらしていたとは……!)
(なんと………!)
(ん……?……!?おいおいおいおい!!なんであんな大物があそこにいるんだ!?)
リウイの乱入に驚いた後、リウイの姿を凝視したメイベルやコリンズにダルモア、ナイアルは驚愕した。
「(小父様………すみませんが、今回はあの子達のために心を鬼にさせてもらいます……!それにさすがに私自身も許せません……!)なんと!そのような輩がいたとは……!王国を守る騎士の一人として援護致します!」
「いや……オスカー、お前は利き腕を負傷している。ミリガン殿の足手まといになるからやめておけ。」
「例え利き腕を負傷していたとしても、自分は戦えます!」
親衛隊員達やデュナンをリウイと共に迎撃しようと思ったクロ―ゼはレイピアを抜いて言ったが、プリネの言葉に驚いた。
「オスカー、お前は騎士団長と共にこの場にいる全員を避難させろ。」
「ユリウス!
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