〜白き花のマドリガル〜中篇
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ユリウスの言葉に驚いたオスカーだったが、不敵な笑みを浮かべて答えたユリウスに微笑んで頷いた。
「もう、2人とも……。わたくしの意見は無視ですか?」
「そ、そういうわけではありませんが……」
「ですが、姫……。今日の所は勝者へのキスを。皆がそれを期待しております。」
「……わかりました。」
そしてセシリアがオスカーに近付き、キスをした。
「きゃあきゃあ♪」
「お2人ともお似合いです♪」
侍女たちはセシリアのキスしているところをはやしたてた。
「女神達も照覧あれ!今日という良き日がいつまでも続きますように!」
「リベールに永遠の平和を!」
「リベールに永遠の栄光を!」
「リベールに永遠の誇りを!」
ユリウスが叫んだ後、公爵や議長、ザムザがそれぞれ叫んだ。その時!
「ヒック……ふざけるな!」
「「「「「「「「「「「「!?」」」」」」」」」」」」
一番前の席で見ていた酔っているデュナンが不愉快そうな表情で叫び、舞台に上がって来た。いきなり現れた乱入者に生徒や観客達は驚いた。
「何故平民ごときに勝利を譲らなければならない!王族であるこの私は貴様のその判断、認めんぞ!ヒック!」
「な、な…………」
酔ってエステルを指差して叫ぶデュナンにエステルはあまりにも驚いて声が出なかった。そこにフィリップが慌てた様子でその場で立ち上がってデュナンに叫んだ。
「か、閣下!これはお芝居です!これ以上ご自分の誇りを汚さないで下さい!」
「黙れ、フィリップ!!親衛隊よ、であえい!!」
フィリップの言葉を無視したデュナンは自分の護衛達を呼んだ。呼ばれた親衛隊達は困惑しながら舞台に上がって来た。
「ヒック……この愚か者や周りの者達に、この私に代わって正義の鉄槌を降せよ!」
「「「か、閣下!それはいくらなんでも!」」」
デュナンの言葉に親衛達達は信じられない表情で反論した。
「デュ、デュナン公爵!?」
「なんという事を……!」
デュナンの行動にダルモアは驚き、コリンズは信じられない表情をした。
(おいおいおい……!まさか学園祭でこんなスクープが出るとは思わなかったぜ……!カメラは……クソ!そういえば、講堂に入場した時に劇の間は撮影禁止だからって預けられたんだった!これじゃ、記事にできねえ……!)
(あの方は……!どこまで閣下を困らせるつもり……!)
一方ナイアルは驚いた後、記事の証拠にするためにカメラを探したが持って来てないことに気付き悔しがり、観客の一人として来ていたカノーネは表情を歪めた。
(なっ………!あの……放蕩者が……!
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