〜白き花のマドリガル〜中篇
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こんな事にならなかったのに……」
「人は、いつも手遅れになってから己の過ちに気がつくもの……。これも魂と肉体に縛られた人の子としての宿命か……。エイドス、イーリュン、アーライナよ、大いなる女神達。お恨み申し上げますぞ……」
自分達の今までの行動でセシリアを苦しめた事を反省する公爵に同意した議長は空に向かって呟いた。
「まだ……判っていないようですね。」
その時、空が明るく照らし出され、3つの光が出た。
「……確かに私はあなたたちに器としての肉体を与えました。しかし、人の子の魂はもっと気高く自由であれるはず。それをおとしめているのは他ならぬ、あなたたち自身です。」
「ま、眩しい……」
「何て綺麗な声……」
「おお……なんたること!方々、畏れ多くも女神達が降臨なさいましたぞ!」
見守っている貴族の娘達は感動し、王都の司教が叫んだ。また、ユリウスとオスカーを除いたその場にいる全ての者達が空を見上げた。
「これが女神……」
「なんという神々しさだ……」
ユリウスとオスカーも空を見上げた。
「若き騎士たちよ。あなたたちの勝負、私も見させてもらいました。なかなかの勇壮さでしたが……肝心なものが欠けていましたね。」
「仰るとおりです……」
「全ては自分たちの未熟さが招いたこと……」
女神の言葉にユリウスとオスカーは無念そうに語った。
「議長よ……。あなたは、身分を憎むあまり貴族や王族が、同じ人である事を忘れてはいませんでしたか?」
「……面目次第もありません。」
「そして公爵よ……。あなたの罪は、あなた自身が一番良く判っているはずですね?」
「………………………………」
女神の一人、エイドスの言葉を受けた2人は自戒した。
「そして、今回の事態を傍観するだけだった者たち……。あなたたちもまた大切なものがかけていたはず。胸に手を当てて考えてごらんなさい。」
「「「「「「………………………………」」」」」
侍女や貴族、その場にいる全員が黙って考え込んだ。
「ふふ、それぞれの心に思い当たる所があるようですね。ならば、リベールにはまだ未来が残されているでしょう。今日という日のことを決して忘れる事がないように……イーリュン殿、アーライナ殿……今だけ力をお貸し下さい……」
「わかりました……」
「………仕方ない。今回だけ特別に我が”混沌”が起こす奇跡を使ってやろう……」
そして女神達の光は消えて行った。
「ああ……」
「消えてしまわれた……」
「…………ん……」
女神達がいなくなった事に肩を落とした侍女たちだったが、その時セ
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