〜白き花のマドリガル〜中篇
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詞だ。だが、どうやら……いまだ迷いがあるようだな!」
2人は剣を交えながら語った。そしてユリウスが連続で攻撃を仕掛け、オスカーは攻撃を防ぐのに精一杯で反撃ができなかった。
「くっ……。おおおおおおおおおっ!」
オスカーは雄叫びを上げて何度も攻撃したが回避されたり、レイピアで防がれた。
「さすがだユリウス……。なんと華麗な剣捌きな事か。く……」
「オスカー、お前……。腕にケガをしているのか!?」
利き腕を抑えたオスカーにユリウスは不審に思った後、ある事に気付き叫んだ。
「問題ない……カスリ傷だ。」
「いまだ我々の剣は互いを傷つけていない筈……。ま、まさか決闘の前に……」
強がるオスカーにユリウスは信じられない表情をした。その時控えていた議長が公爵に抗議した。
「卑怯だぞ、公爵!貴公のはかりごとか!?」
「ふふふ……言いがかりは止めてもらおうか。私の差し金という証拠はあるのか?」
議長の抗議の言葉に公爵は余裕の笑みを浮かべて答えた。
「父上……何ということを……!」
「いいのだ、ユリウス。これも自分の未熟さが招いた事。それにこの程度のケガ、戦場では当たり前のことだろう?」
「………………………………」
怒りを抑えているユリウスにオスカーは微笑みながら諭した。オスカーの微笑みを見たユリウスはかける言葉がなかった。
「次の一撃で全てを決しよう。自分は……君を殺すつもりで行く。」
「オスカー、お前……。わかった……。私も次の一撃に全てを賭ける。」
オスカーの決意にユリウスは静かに答えた。そして2人は同時に後ろに飛び退いてレイピアを試合前の構えにした。
「更なる生と、姫君の笑顔。そして王国の未来さえも……。生き残った者が全ての責任を背負うのだ。」
「そして敗れた者は魂となって見守っていく……。それもまた騎士の誇りだろう。」
ユリウスの言葉にオスカーは頷いた。
「ふふ、違いない。………………………………」
「………………………………」
そして2人は互いに目を閉じた後同時に目を見開いて力を溜めた。
「はあああああー!」
「おおおおおおー!」
「「ハァッ!!」」
力を溜めた2人は両者同時に仕掛けた。その時
「だめ――――――――――――っ!!」
セシリアが間に入った。
「あ……」
「…………姫…………?」
「セ…………シリア……?」
2人の最後の一撃を受けてしまったセシリアは体をくずした。セシリアに気付いた2人は信じられない表情をした後、セシリアに駆け寄った。
「ひ、姫――――――ッ!」
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