〜白き花のマドリガル〜前篇
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諭した。
(あ……プリネです!リウイ様!)
(うむ!騎士団長役とは、さすが余の妹だな!)
(ん。エヴリーヌも鼻が高いよ。)
(わかっている、そうはしゃぐな。………それにしても騎士団長役か………中々役作りはできているようだな。役といい、あの衣装服を見てるとシルフィアを思い出すな……)
(フフ……シルフィア様を思い出させるほどの演技と言われれば、最高の褒め言葉ですよ、お父様。)
(…………………)
一方プリネの登場に小声ではしゃいでいたペテレーネ達を諭したリウイだったが、ティアの言葉に居心地が悪くなり押し黙った。そしてまた舞台は変わり、貴族勢力筆頭の公爵とユリウスの会話の場面になった。
「ユリウスよ、判っておろうな。これ以上、平民どもの増長を許すわけにはいかんのだ。ましてや、我らが主と仰ぐ者が平民出身となった日には……。伝統あるリベールの権威は地に落ちるであろう。」
「お言葉ですが、父上……。東に共和国が建国されてから10年ほどの年月が流れました。最早、平民勢力の台頭も時代の流れなのではないかと。」
厳かな口調で話す公爵にユリウスは歩み寄って答えた。
「おぞましいことを言うな!」
ユリウスの言葉に公爵は席を立って怒鳴った。
「何が自由か!何が平等か!高貴も下賤もひとまとめにして伝統を捨てるそのあさましさ。帝国の軍門に下った方がはるかにマシと言うものよ!」
公爵はユリウスに詰め寄って怒鳴り続けた。
「父上!」
公爵の言葉にユリウスは信じられない表情で叫んだ。
「ヒック……。公爵の言う事ももっともだ。平民どもに付け上がらせたら伝統は失われるばかりだからな。」
(閣下……。もう少し声を抑えめに……)
(…………………)
酔っているデュナンは劇の公爵の言葉に同意し、フィリップは慌てて諌めた。また、デュナンの言葉が聞こえたリウイは眉をひそめていた。そして舞台はオスカーと平民派代表の議長との会話の場面になった。
「オスカー君。君には期待しているよ王家さえ味方に付けられれば貴族派を抑えることができる。そうすれば、我々平民派が名実ともに主導権を握れるのだ。」
議長は不敵な笑いをしながら言った。
「しかし議長……。自分は納得できません。このような政治の駆け引きにセシリア様を利用するなど……」
「フフ、なんとも無欲な事だな。いくら名目上の地位とはいえ王となるチャンスだというのに。君が拒否するというのであれば流血の革命が起きるというだけ……。貴族はもちろん、王族の方々にも歴史の闇に消えて頂くだけのことだ。」
「議長!」
議長の言葉にオスカーは叫んだ。
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