第53話
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期待した目でクロ―ゼに尋ねた。
「なあ、クローゼ姉ちゃん。姉ちゃんが出る劇っていつぐらいに始まるのさ?」
「あたしたち、すっごく楽しみにしてるんだから♪」
「そうね……。まだ、ちょっとかかるかな。ちなみに、私だけじゃなくてエステルさんたちも出演するのよ?」
「ほんと?わあ、すっごく楽しみ〜!」
「ヨシュアちゃん、どんな役で出るのー?」
「えっと……何て言ったらいいのか……」
ポーリィの質問にヨシュアは言葉を濁した。
「あはは……。見てのお楽しみってね♪それより院長先生。まだ、マノリアにいるの?」
「はい、宿の方のご好意で格安で泊めて頂いています。ですが……」
「???」
閉口するテレサにエステルは首を傾げた。
「………………………………ねえ、みんな。劇の衣装、見たくない?綺麗なドレスとか騎士装束がいっぱいあるよ。」
「綺麗なドレス!?」
「騎士しょーぞく!?」
事情を大体察したヨシュアは子供達に提案し、クラムやマリィが誰よりも早く期待した目で反応した。
「ふふ……。興味があるみたいだね。それじゃあ特別に劇の前に見せてあげるよ。」
「やったぁ!」
「ポーリィもいくー。」
「ママ、ミントも行っていい?」
「うん。行っておいで。」
「わーい!ツーヤちゃんも行こう!」
「うん、ミントちゃん。」
(舞台の控え室にいるからあとからゆっくり来てよ。)
エステル達に小声で耳打ちしたヨシュアは子供達を講堂に連れて行った。
「ふふ、ヨシュアさんは本当に気が利く子ですね。ちょっと、子供たちの前では言いづらいことだったので……」
「それじゃ、ひょっとして……」
テレサが閉口していた意味がようやくわかったエステルは尋ねた。
「ええ、秘書の方が提案されたイーリュンの信徒の方々が経営する孤児院にお世話になる事に決心がつきました。これ以上、マノリアの方々に迷惑をかけられませんから。今日の学園祭が終わったらあの子たちにも打ち明けます。」
「そう……ですか……。寂しくなるけど……仕方ありませんよね……」
テレサの決心にクロ―ゼは暗い顔をして俯いた。
「ふふ、そんな顔をしないで。ロレントとはいっても飛行船を使えばすぐの距離です。それに私、ロレントに行ったら子供達の事はイーリュンの信徒の方々に任せて、仕事を捜そうと思っています。ミラを貯めて、いつかきっと孤児院を再建できるように……」
「院長先生……」
「………………………………」
寂しそうな笑顔で話すテレサにエステルとクロ―ゼはかける言葉がなく、黙っていた。
「そ
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