第49話
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ア達から聞いたんだけど、ティアさんはお母さんの遺志をついでイーリュンの神官になったのって本当なの?」
エステルはクロ―ゼがいるため、さっきから何も言わず黙っているリフィア達をチラリと見た後尋ねた。
「ええ、民の支えとなるためにイーリュンの信徒になったのは私自身の考えで、本当の理由は悲しみに囚われたお父様を陰から支えていたため、イーリュンの神官として広々と活動できなかったお母様の思いを受け継いだ事が一番の理由になりますね。」
「ほえ〜……あれ?ティアさんのお父さんって幸せじゃなかったの?一杯奥さんや子供がいて、王様なんだからそれ以上の幸せってないんじゃないのかな?」
ティアの言葉を聞いて感心したエステルはある事が疑問になり、尋ねた。
「…………………………………………」
「あれ?」
「ティア様?」
エステルの疑問には答えず、目を閉じ何も語らないティアにエステルやクロ―ゼは不思議に思った。
「………リフィアさん、プリネさん。エステルさんにはどこまで話したのですか?」
「………”あの方”の事を少しエステルに話した。」
「それとリウイ陛下と”あの方”の夫婦仲も話しましたね。」
静かに問いかけるティアにリフィアとプリネも静かに答えた。
「……そうですか。エステルさん、お父様と正妃様の事はリフィアさん達から聞きましたね?」
「あ、うん。なんか凄く夫婦仲はよかったって聞いたよ。後……その、正妃様が亡くなってティアさんのお父さんが凄く悲しんだって事も……」
確認するようなティアの言葉にエステルは言い辛そうに答えた。
「………そこまで知っているというのなら、お分かりと思うのですがお父様はまだ正妃様の事をずっと思い続けているのです。お母様は正妃様を亡くし、心に酷い傷を負ったお父様をほおっておけず、今まで精力的に色々な所でイーリュンの信徒としての活動をしていたのですが、正妃様が亡くなられてからは活動は王都内だけにして生涯お父様の傍にいて、傷ついたお父様の心をずっと支えていたんです。」
「その………ティア様のお母様はリウイ陛下の事は……」
「もちろん、一人の女としても愛していました。でなければいくら全ての傷ついた方を癒すイーリュンの信徒といえど、そこまではできません。」
「そう……なんだ。……いつか幸せになれるといいね、ティアさんのお父さん。」
「ええ……最も、その日はすぐそこに来ているかもしれませんが……」
「え?」
ティアの言葉にエステルは首を傾げた。
「……なんでもありません。今のは私の空言です。……それより私に何か聞きたいことがあるのではないですか?エステルさん達がクラム君を追いかける時、私を引き止め
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