第49話
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葉にクロ―ゼは驚いて尋ねた。
「確かに普通はそう思いますね。…………お母様は私には自由に生きてもらい、また私が国を背負うには余りにも重すぎると思ってお父様に嘆願して、皇位継承権からは外してもらったのです。そのお陰で私はこうしてイーリュンの信徒として活動できるのです。」
「その…………失礼を承知で聞きたいのですが、どうして皇女である事を捨てたんですか……?自由に生きれるという事は当然、皇女として国を支える事はできたのではないでしょうか……?」
「そうですね………広大なレスぺレント地方の覇権を握ったメンフィル皇女である事に重荷を感じていないと言われれば嘘になりますが、決して皇女として民を思う心を捨てた訳ではありません。………自分のできる事で国を、民を支えるために母から教わった治癒魔術を活用できるイーリュンの信徒となったのです。……それに正直な話、私は”王”になるのは余りにも力不足すぎると思ったのです。それぞれの領の領主や領主の親族であったラピス様、リン様、セリエル様、リオーネ様……すでに領主がいて、後継も産まれていたミレティア領を混乱させないために公式上存在が隠されていたミレティア領前領主ティファーナ様の御子である腹違いの兄妹達や、今では伝説と化し、当時からも慕われていたシルフィア近衛騎士団長の血を引き、マーシルン家にとって長男のシルヴァンさんにファーミシルス大将軍と同等の活躍をなさったカーリアン様のご息女、カミ―リさん……みなさんのお母様は身分ある方や有名な方ばかりに対して、私のお母様は平民でただの神官の一人……そんな娘が皇帝になってしまったら、他国にも示しがつかない上せっかく平和になってしまった国が乱れるでしょう?………ですから私は皇位継承権を辞退し、せめて民達の支えとなれるためにイーリュンの信徒になったのです。」
ティアは昔を思い出すかのように遠い目をして語った。
「………………………その……………ティア様は腹違いの兄妹の方達との仲はどうだったんでしょうか………?」
「兄妹仲は凄くよかったですよ。みなさん、身分のない女の娘である私の事を一番上の姉としてとても慕ってくれましたし、他の側室の方達からも自分の子供と同じように凄く親身にしていただきました。それにシルヴァンさん達から直接頼まれて、シルヴァンさんとカミ―リさんの結婚式やラピス様の娘であるアリアさんとリン様の息子であるグラザさんの結婚式を仕切る司祭を務めました。ですから今でもみなさんとは仲がいいですよ。」
「そう……なんですか……それは素晴らしい事ですね……」
聞きづらそうな表情で尋ねたクロ―ゼの質問にティアは微笑みながら答えたので、クロ―ゼはティアを眩しい物を見るような目で見た。
「そういえば……メンフィルの貴族であるリフィ
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