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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第35話
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ね〜。あたしは正真正銘、”唯の人間”よ!」
エステルは頬を膨らませてツーヤ達を睨み、次々ととんでもない発言を口にするエステル達の会話を聞いていたリィン達は全員冷や汗をかいた。
(い、一体何者なんだ、エステルさん達って!?)
(エステルさん達って、もしかして遊撃士の中でもかなり特別な存在の方達なのではないでしょうか……?)
(間違いなくそうだろうね。)
(奴等だけでも軍隊とも渡り合えるような気がしてきたぞ……)
「(ハ、ハハ……)えっと、体力も回復してきたし、このまま一気にケルディックに向かいましょうか。」
小声でそれぞれ会話するマキアス達の様子に苦笑したリィンは提案し
「そうね。グズグズしていたら追手が来るかもしれないし、行きましょうか!」
リィンの提案にエステルは頷いた。その後リィン達はケルディック方面に早足で向かい、”ケルディック要塞”が遠目で見えるほどの位置まで近づいた。
「あ……!あの建造物は……!」
「メンフィルの”ケルディック要塞”……!助かった……!これで何とかトリスタに帰れるな……」
遠目で見える建造物を見たエマとマキアスは明るい表情をし
「ああ。後はメンフィル兵達が俺達をケルディックに通してくれるかだが……その点も心配は無用なのだろう?」
「ええ。あたしが皆さんの事を証明しますから、大丈夫です。」
ユーシスに視線を向けられたツーヤは頷いた。するとその時何かが地面を走る音が聞こえてきた。
「?何だこの音は。」
音を聞いたユーシスは眉を顰め
「!まさか………!」
「やっぱり、まだ諦めていないようだよ。」
リィンは血相を変え、フィーは警戒の表情で音が聞こえてくる方向を睨んだ。
「へ――――」
フィーの言葉を聞いたマキアスが呆けたその時、バリアハート方面から”アハツェン”や装甲車の軍団が近づいてきていた!
「なあっ!?」
「そんな……ここまで来たのに……!」
領邦軍の軍団を見たマキアスは驚き、エマは不安そうな表情をし
「とにかく追いつかれる前に走って!」
エステルの指示によってリィン達は再び走り始めたが、戦車や装甲車のスピードには敵わず、瞬く間に包囲された!
「くっ……ここまでなのか……!?」
包囲された事にマキアスが唇を噛みしめたその時、隊長が姿を現してリィン達を睨んだ。
「貴様ら……よくもふざけた真似を……レーグニッツだけでなく、全員で捕まりたいらしいな!?」
「ああ……捕まえてもらおうか。」
隊長が声を上げたその時、ユーシスが前に出て隊長を睨んだ。
「ユ、ユーシス様!
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