第33話
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」
「そうなんだ……お礼を言っておきたかったし、できればアリエッタさんを派遣してくれた上司―――イオンさんだっけ?その人にもお礼を言っておきたかったな。ルーク兄やレンの話だとアリエッタさんやイオンさんが一緒に戦ってお母さんを守ってくれたそうだし……」
アリエッタのその後の話を知ったエステルは感謝の言葉も言えなかった事に残念そうな表情になった。
「フフ、大丈夫よ。お二人はお礼を言って欲しくて戦った訳じゃないでしょうし。」
「へ?アーシアさんはアリエッタさん達の事、知っているの?」
「もしかして”星杯騎士団”に所属していた時に会った事があるのか?」
そしてアーシアの言葉が気になったエステルとアガットは尋ねた。
「ええ、昔お世話になった事があったの。唯申し訳ないけどアリエッタさんの”上司”―――イオン様については秘密にさせてもらうわね。あの方は騎士団の中でもかなり上の地位についている方だからおいそれと教える事はできないのよ。」
「そうなんだ………」
「つーか、その”星杯騎士団”だったか?そんな裏組織の上の位についている奴が部下を連れて何でリベールにコソコソと来ているんだよ?」
説明を聞いたエステルは頷き、ある事が気になったアガットは眉を顰めて尋ねた。
「それは私にもわからないわ。まあ、”星杯騎士団”は”古代遺物”を秘密裏に回収する組織だから、恐らく”古代遺物”関係でしょうね。」
「あ!多分、『輝く環』じゃないの!?」
「情報部が手に入れようとしていたアレか………もしかしたら今後その”星杯騎士団”の連中と接触する事があるかもしれねえな。」
え………ジュエ卿、今何と?
近い内ケビンがリベールに訪れる事になります。表向きは『輝く環』の調査という事ですが……真の目的は貴女やガイが王都で見かけた最悪の破戒僧――――”身喰らう蛇”の”蛇の使徒”の第三柱”白面”ゲオルグ・ワイスマンの抹殺です。僕とアリエッタは”白面”にケビンの正体を悟らせない為の”囮”で、このままリベールでケビンと二手に分かれて『輝く環』の調査をする事になりました。
そうですか……………
ルフィナ、貴女はどうしますか?これを機にケビンに貴女が生きている事を教えてもいいのでは?
―――いえ。”守護騎士”としての重要な任務を受けている以上、ケビン―――グラハム卿を動揺させて、それが原因でグラハム卿が”白面”や”結社”に隙を見せる事をさせない為にも、もし出会ったとしても正体を隠したまま接するつもりです。私の戦闘スタイルで私の過去や正体を怪し
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