第46話
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「………………………………」
「ま、待って!『彼ら』って誰のこと?」
ギルバートの言葉にダルモアは黙ったがエステルは反応して訪ねた。
「君たちも昨日絡まれただろう。ルーアンの倉庫区画にたむろしているチンピラどもさ。」
「あいつらが……」
「………………………………」
「失礼ですが……。どうして彼らが怪しいと?」
ロッコ達の事を思い出したエステルは厳しい表情をし、クロ―ゼは沈黙し、ヨシュアは冷静に尋ねた。
「昨日もそうだったが……。奴ら、いつも市長に楯突いて面倒ばかり起こしているんだ。市長に迷惑をかけることを楽しんでいるフシもある。だから市長が懇意にしているこちらの院長先生に……」
「ギルバード君!」
「は、はい!」
「憶測で、滅多なことを口にするのは止めたまえ。これは重大な犯罪だ。冤罪が許されるものではない。」
「も、申し訳ありません。考えが足りませんでした……」
調査を混乱しかねない情報を言うギルバートにダルモアは声を荒げた後、一喝した。
「余計なことを言わずともこちらの遊撃士諸君が犯人を見つけてくれるだろう。期待してもいいだろうね?」
「うん、まかせて!」
「全力を尽くさせてもらいます。」
「うむ、頼もしい返事だ。」
エステルとヨシュアの返事に満足げに頷いたダルモアはテレサに尋ねた。
「ところでテレサ院長……。1つ伺いたいことがあるのだが。」
「なんでしょうか?」
「孤児院がああなってしまってこれからどうするおつもりかな?再建するにしても時間がかかるし、何よりもミラがかかるだろう。」
「………………………………。正直、困り果てています。当座の蓄えはありますが、建て直す費用などとても……」
「院長先生……」
「………………………………」
悲痛そうに語るテレサをエステル達はただ見ているだけしかできなかった。
「やはりそうか……。どうだろう。私に1つ提案があるのだが。」
「……なんでしょう?」
「実は、王都グランセルにわがダルモア家の別邸があってね。たまに利用するだけで普段は空き家も同然なのだが……。しばらくの間、子供たちとそこで暮らしてはどうだろう?」
「え……」
「もちろん、ミラを取るなど無粋なことを言うつもりはない。再建の目処がつくまで幾らでも滞在してくれて構わない。」
「で、ですがそこまで迷惑をおかけするわけには……」
テレサはダルモアの申し出に戸惑った後断ろうとした。
「どうせ使っていない家だ。気がとがめるのであれば……。うん、屋敷の管理をして頂こう。もちろん謝礼もお出しする
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