第45話
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出した覚えはないのですが……」
「あ、単に同じ治癒魔術を使う者として気になっただけ。だから、あまり気にしないで。」
「あなたが……?もしかしてアーライナ教の信徒の方ですか?こう見えてもゼムリア大陸のイーリュン教の神官長を務めさせていただいており、信徒の顔は全員覚えていて、エステルさんの顔は見た事がありませんから……」
エステルの言葉にティアは首を傾げて尋ねた。
「ううん。あたしはどの宗教の信徒でもないわ。」
「そうなのですか。という事は”秘印術”の使い手の方ですね。それで一体何をお聞きしたいのでしょうか?」
「うん。どうやったらあんなに上手く治癒魔術ができるのかなーって。あたしも”闇の息吹”っていう治癒魔術ができるけど、回復量はバラバラでティアさんみたいにみんなを一遍に治したりできないもん。」
「……治癒魔術は魔術の中でも高度な魔術と言われていますが、それほど難解な魔術ではありません。要は相手をどれだけ思えるかですね。治癒魔術は魔力もそうですが使い手の精神状態によっても効果は変わりますから……それと申し訳ないんですが闇の神殿の治癒魔術についてはよくわからなくて何も申し上げる事はできません。すいません……」
ティアはエステルに申し訳なさそうな表情で頭を下げた。
「わわっ。あたしなんかにティアさんみたいな凄い人が頭を下げる必要なんてないよ。信者でもないあたしに治癒魔術の事について教えてくれてむしろ感謝しているわ。」
ティアの行動にエステルは慌てて答えた。
「そうですか、少しでもお役に立ててよかったです……ところでどうしてリフィアさん達がここに……」
「「……ハァ……ハァ……」」
「ミント!?ツーヤ!?しっかり!」
「ミント姉ちゃん、お願いだから目を覚ましていつものような明るい笑顔を見せてくれよう……」
「起きてツーヤお姉ちゃん……でないとクラムを叱るのあたしだけになっちゃうよ……そんなの嫌だよ!?」
ティアがリフィア達に尋ねようとした矢先、眠っていたミントとツーヤに異変が起こり、それに気付きテレサやクラム、マリィは焦って何度も呼びかけた。
「え!?完全に治療したはずなのに……!?……すみません、ちょっと失礼します!」
容体が急変したミントやツーヤに驚き信じられない表情をしたティアはミントとツーヤに急いで近付いて状態を確かめた。
「……………これは!……………………そんな……………」
2人の状態を確かめてそれぞれに魔力を送ったティアはいくら魔力を送っても効果がない事に気付き、悲痛な表情をした。
「ティア様、2人の体に蝕んでいた毒を先ほど除去しきれてなかったのですか……?」
クロ―ゼはティアの表情
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