第45話
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生きた心地がしませんでした。」
ようやく落ち着いたクロ―ゼは授業中であるにも関わらず火事跡の孤児院に来た経緯を話した。
「そっか……」
「院長先生と子供たちはマノリアの宿屋にいるそうだよ。調査も終わったし、僕たちも一緒にお見舞いに付き合わせてくれるかな?」
「あ、はい……。そうして頂けると嬉しいです。」
「それじゃあ、さっそくマノリアに行くとしましょ。」
そしてエステル達はマノリア村の宿屋であり、酒場でもある『白の木蓮亭』に向かった。
〜白の木蓮亭・宿屋の一室〜
エステル達がテレサ達がのいる部屋に入ると、そこにはベッドに寝かされ火傷の痛みと煙をすった影響で苦しんでいる子供たちと無事だったテレサやクラム、マリィがイーリュンのシスター服を着た女性に嘆願していた。
「お願いします!どうかあの子達を助けてやって下さい!」
「頼むよ!イーリュンのお姉ちゃんならどんな傷でもなおせるんでしょ?」
「お願いします!」
「………落ちついて下さい。この子達は母なるイーリュンに代わりまして私が責任を持って癒します。ですから今はこの子達の無事を祈ってあげて下さい……」
「はい………」
女性に諭され、テレサはその場で手を組んで祈り、それを見てクラムやマリィも祈った。
「………まずは体内にある吸ってしまった毒をなくさなくてはいけませんね。………イーリュンよ、かの者等に浄化のお力を……大いなる浄化の風!」
女性が強く祈ると苦しんでいる子供達を淡い光がつつみ、光がなくなると子供達は規則正しい寝息を始めた。
「……イーリュンよ、お力を……癒しの風!」
さらに女性がもう一度祈ると同じように寝息を立てている子供達を淡い光がつつみ、光がなくなると子供達の火傷は綺麗に消えていた。
「ポーリィ、ダニエル、ミント、ツーヤ!ああ、よかった……!」
「「みんな!」」
子供達が苦しまなくなり、完全に火傷が消えて安心したテレサは寝ている子供達にクラムやマリィと共に駆け寄った。
「すごっ……!一瞬でみんなの火傷が治っちゃった……!」
「あれがイーリュン教に伝わる癒しの魔術か……まるで奇跡だな……」
「よかった……本当によかった……」
一連の光景を見たエステルやヨシュアは初めて見るイーリュン教の癒しの魔術に驚き、クロ―ゼは涙を流して安心した。
「えっ……」
「やはりか……」
「あれ………?」
一方女性の横顔や後ろ姿を見てプリネは驚き。リフィアは納得し、エヴリーヌは首を傾げた。そして女性はエステル達に気付いて振り向いた。
「あら……?」
「わっ。凄い美人……」
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