第44話
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「そうか……。倉庫区画の奥に行ったのか。あそこは『レイヴン』と名乗ってる不良グループのたまり場なんだ。君たちに絡んできたのは、グループのリーダー格を務める青年たちだろう。」
「『レイヴン(渡りカラス)』ねぇ……。なーにをカッコつけてんだか。」
ロッコ達のグループ名を知ったエステルはロッコ達がグループ名に負けていると思い、呆れた表情をした。
「少し前までは大人しかったんだが最近、タガが緩んでるみたいでね。市長の心配ももっともなんだが、こちとら、地方全体をカバーしなくちゃならないんだ。……とまあ、そんなワケで本当に人手不足で困っていてね。君たちが来てくれて、感謝感激、雨あられなんだよ。……特にメンフィルのお嬢さん達には期待しているよ。なんたって3人は僕達人間より身体能力が遥かに高く、魔術も使える”闇夜の眷属”なんだから。」
「フフ、まだまだ修行中の身ですが精一杯がんばらせていただきます。」
「余がいるのだ!大船に乗った気分でいるといい!」
「ま、疲れない程度にがんばってあげる。」
「あたしとヨシュアも3人に負けないようがんばるわよ!それじゃあ、明日からさっそく手伝わせてもらうわ。」
「何かあったら僕たちに遠慮なく言いつけてください。」
「ああ、よろしく頼むよ!」
そしてエステル達は英気を養って明日に備えるため、ギルドを出てホテルに向かい、部屋を取った後クロ―ゼを街の入口まで送り、ホテルに戻った。
ホテルに戻ったエステル達は運良く取れた最上階の部屋のバルコニーで景色を見て、堪能している所部屋の中から聞き覚えのない声が聞こえて来た。
〜ルーアン市内ホテル・ブランシェ・最上階〜
「ほほう……。なかなか良い部屋ではないか。」
「なに、今の?」
「うん、部屋の中から聞こえてきたみたいだけど……」
(ん……?どこかで聞き覚えのある声だな……?)
部屋の中から偉そうに話す男性の声にエステルとヨシュアは首を傾げ、リフィアは聞き覚えのある声に訝しんだ。
「それなりの広さだし調度もいい。うむ、気に入った。滞在中はここを使うことにする。」
「閣下、お待ちくださいませ。この部屋には既に利用客がいるとのこと……。予定通り、市長殿の屋敷に滞在なさってはいかがですか?」
豪華な服を着ている男性に執事服を着た老人が自分の主である男性を諌めていた。
「黙れ、フィリップ!あそこは海が見えぬではないか。その点、この海沿いのホテルは景観もいいし潮風も爽やかだ。バルコニーにも出られるし……」
男性が執事――フィリップを怒鳴った後、バルコニーに向かおうとした時、バルコニーにいるエステル達の存在に気がついた。
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