第29話
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ステル達は珍しそうな様子で周囲の景色を見回し
「王都の地下水道ほどではないが、それなりの広さはあるだろう。本日の演習は、水道の最奥にあると思われる機密文書の回収だ。」
クルツはエステル達に課題を与えた。
「き、機密文書ぉ?」
「はは、あくまでもそういう想定での演習だよ。とにかく、水路の最奥まで行けばダミーの書類が見つかるはずだ。それを回収できたら演習終了さ。」
「うーん、話を聞いてる限りだと簡単そうに聞こえますけど……」
「うふふ、簡単すぎて逆に警戒しちゃうわね。」
「当然、演習というからには色々と用意してるのよね?」
3人を代表してエステルはクルツに質問した。
「まあ、ご想像にお任せするよ。ちなみに徘徊している魔獣がかなり手強いのは確かだ。……傷を負った場合には無理せず撤退するように。オーブメントの回復装置も念のために用意したからね。」
「あはは、さすがはクルツさん。何もかも準備万端ってわけ。」
「それじゃあエステルちゃん、レンちゃん。行こっか。」
「うん。」
「ええ。」
その後3人は仕掛けを解除したり、途中で出会う魔獣達を倒しながら奥に進んで行った。
~バルスタール水道・終点~
「やあ、ようやく来たか。」
エステル達が終点に到着するとそこにはなんと入口にいるはずのクルツがいた。
「あら。」
「ク、クルツ先輩!?」
「え、ちょっと待って……。入口の所にいたはずなのにどうして先回りしているわけ?」
「実は他に抜け道があってね。君たちが仕掛けを解除している間にまっすぐここに来させてもらったよ。」
「ガクッ……。せっかく苦労して仕掛けを解いてきたのに……」
「むう。レンとした事が謀られたわね。」
先回りできる道があった事を知ったエステルは肩を落として恨みがましそうにクルツを見つめ、レンは頬を膨らませた。
「そ、それはともかく……。やっぱりここが地下水路の最奥なんですよね?」
「ああ、その通りだが?」
「それじゃあ……回収する機密文書っていうのは?」
「ふふ……」
アネラスの言葉を聞いたクルツは不敵に笑った後、槍を構えた!
「へっ!?」
「や、やっぱり……」
「うふふ、そうこなくっちゃね♪」
槍を構えたクルツを見たエステルは驚き、アネラスは冷や汗をかき、レンは小悪魔な笑みを浮かべた。
「自分の役は、機密文書を強奪しに来た某国の武装工作員だと思ってくれ。当然、同じ目的を持った者たちは実力を持って排除させてもらうよ。」
「あ、あんですって~!?」
「機密文書は単なる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 ~小説投稿サイト~
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ