第42話
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ラムにエステルはクラムの脇腹をくすぐった。
「ひゃはは……!や、やめろよ!くすぐったいだろ!エッチ!乱暴オンナ!」
「ほれほれ、抵抗はやめて出すもの出しなさいっての……」
少しの間、クラムの脇腹をくすぐっていたエステルだったがその時、少女の声がした。
「ジーク!」
少女の声がした後、白ハヤブサがエステルの目の前を通り過ぎた。
「わわっ!?なんなの今の!?」
エステルは目の前に通った白ハヤブサに驚いてくすぐる手を止めて、声がした方向を見た。するといつの間にか白ハヤブサを肩に止まらせたマノリア村でぶつかった制服の少女が厳しい表情をエステルに向けていた。
「その子から離れて下さい!それ以上、乱暴をするなら私が相手になりま………………………………あら?」
少女はエステルの顔を見ると目を丸くした。
「あ、さっきの……」
エステルも同じように目を丸くした。
「マノリアでお会いした……」
「ピュイ?」
「助けて、クローゼお姉ちゃん!オイラ、何もしてないのにこの姉ちゃんがいじめるんだ!」
肩に乗った白ハヤブサと共に首を傾げている少女――クロ―ゼにクラムは助けを求めた。
「な、なにが何もしてないよ!あたしの紋章を取ったくせに!」
「へん、だったら証拠を見せてみろよ!」
クラムの言葉に頭に来たエステルはまた捕まえようとしたが、クラムは素早く避けた。
「あ、くすぐるのは無しだかんな。」
「うぬぬぬ〜……」
エステルは悔しそうな表情でクラムを見た。
「やあ、また会ったね。」
「あ、その節はどうも……。すみません、私てっきり強盗が入ったのかと思って……。あの、それでどういった事情なんでしょう?」
クロ―ゼは事情を知っていそうなヨシュアに困った表情で尋ねた。
「クローゼお姉ちゃん。そんなの決まってるわよ。どーせ、クラムがまた悪さでもしたんでしょ。」
「ねー、おねえちゃん。もうアップルパイできた〜?」
そこにマリィが口をはさみ、ダニエルは今の状況とは関係のないことを言った。
「あ、もうちょっと待っててね。焼き上がるまで時間がかかるの。」
ダニエルにクロ―ゼは微笑みながら答えた。そしてエステルとクラムが言い争いを始め、どうするべきか迷っていたヨシュア達のところに女性が孤児院から姿を現した。
「あらあら。何ですか、この騒ぎは……」
「テレサ先生!」
姿を現した女性は孤児院を経営するテレサ院長だった。
「詳しい事情は判りませんが……。どうやら、またクラムが何かしでかしたみたいですね。」
「し、失礼だなぁ。オイラ、何もやってな
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