第41話
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〜マノリア村〜
「は〜っ。やっと人里に着いたわね。なんだか、白い花があちこちに咲いてるけど……ここって何ていう村だっけ?」
ボース市から長い道のりを歩いてきて、ようやく人里に着いて一息ついたエステルは周囲の風景を見て呟いた。
「マノリア村だよ。街道沿いにある宿場村さ。あの白い花は、木蓮の一種だね。」
「ええ、いい香りです。おそらくあの白い花の香りなんでしょうね。」
「ふーん、キレイよね〜。それに潮の香りに混じってかすかに甘い香りがするような。うーん……何だかお腹が空いてきちゃった。」
ヨシュアの説明を聞いてプリネは息を大きく吸って漂ってくる白い花の僅かな香りを楽しんでいたが、エステルは違う事を言った。
「あはは、花の香りで食欲を刺激されるあたりがエステルらしいって言うか……。まさに花よりダンゴだね。」
エステルの言葉にヨシュアは苦笑した。
「だって、育ち盛りなんだもん。ちょうどお昼だし、休憩がてらにランチにしない?」
「賛成〜。関所から歩いてきたから、エヴリーヌもお腹がすいてきちゃった。」
「いいけど……何か手持ちの食料はあったかな?」
「あ、ちょっとタンマ。どうせだったら落ち着ける場所で、できたての料理を頼まない?せっかくルーアン地方に来たんだし。」
「そうだな。地方独特の郷土料理を楽しむのも旅の醍醐味の一つだしな。早速宿酒場を探すぞ!」
エステルとリフィアの言葉に頷いたヨシュア達は村中を歩き回って宿酒場を探した。
〜マノリア村宿酒場・白の木蓮亭〜
「ようこそ、『白の木蓮亭』へ。見かけない顔だけど、マノリアには観光で来たのかい?」
酒場のマスターは村では見かけないエステル達を見て尋ねた。
「ううん。ルーアン市に向かう途中なの。」
「ボース地方からクローネ峠を越えて来たんです。」
「クローネ峠を越えた!?は〜、あんな場所を通る人間が今時いるとは思わなかったな。ひょっとして、山歩きが趣味だとか?」
エステルとヨシュアの答えにマスターは驚いて聞き返した。
「うーん……。そういう訳じゃないんだけど。ところで、歩きっぱなしですっごくお腹が減ってるのよね。」
「何かお勧めはありますか?」
「そうだな……今なら弁当がお勧めだけど。」
「お弁当?」
マスターのおススメの意外な料理にエステルは首を傾げた。
「町外れにある風車の前が景色のいい展望台になっていてね。昼食時は、うちで弁当を買ってそこで食べるお客さんが多いんだ。」
「あ、それってナイスかも♪聞いてるだけで美味しそうな感じがするわ。」
「それじゃ、そうしようか。どんな種類の弁当
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