第41話
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エステルに呆れたヨシュアは制服の少女を見ていきなり黙った。
「???」
「ヨシュア、どうしたの?」
ヨシュアの様子に少女は不思議そうな表情をし、エステルも不思議に思って尋ねた。
「い、いや……。ごめんね。連れが迷惑かけちゃって。どこにもケガはないかな?」
「はい、大丈夫です。私も人を捜していて……。それでよそ見をしてしまって。」
「え、誰を捜してるの?」
少女の言葉が気になったエステルは尋ねた。
「帽子をかぶった10歳くらいの男なんですけど……。どこかで見かけませんでした?」
「帽子をかぶった男の子……。ヨシュア、見かけたりした?」
「いや、ちょっと見覚えがないな。」
「そうですか。どこに行っちゃったのかしら……。私、これで失礼します。どうもお手数をおかけしました。」
エステルとヨシュアの言葉を聞いた少女は軽く頭を下げた後、去って行った。
「ヨシュア?ねえ、ヨシュアってば。」
去って行く少女の後ろ姿を見て、呆けていたヨシュアをエステルは肩をゆすって気付かせた。
「え、ああ……どうしたの。」
「どーしたもこーしたも……あ、もしかして……。なるほど、そーゆーことか♪」
ヨシュアの様子に呆れたエステルだったが、突然一人で納得した。
「……なんか、激しく勘違いしてない?」
エステルの様子から何か勘違いしていることを悟ったヨシュアは呆れた表情でエステルを見た。
「照れない、照れない♪一目会ったその時から恋の花咲くこともあるってね。」
「ち・が・い・ま・す。ただ、昔の知り合いにほんの少し似ていただけだよ。それで、ちょっと驚いただけさ。」
案の定勘違いしているエステルにヨシュアは溜息をつきながら答えた。
「へえ、ほう、ふーん。昔の知り合いに似ているね〜。口説き文句としては30点かな?」
「ところでエステル。あの子の制服、見覚えない?」
全然信じていないエステルにヨシュアは弱冠怒り気味の口調で言った。
「そういえば……。ジョゼットが変装に使ってた何とか学園ってところの制服!?」
「ジェニス王立学園だよ。このルーアン地方にあるらしいから見かけても不思議じゃないけどね。」
「ふーん、今のが本物なんだ。なんか清楚で礼儀正しくて頭も良さそうだったわね〜。生意気ボクっ子とは大違いだわ。」
「何言ってるんだか。ジョゼットと最初に会った時、完全に騙されていたくせに。」
「うっ……」
ヨシュアの言葉が言い返せず、エステルは黙った。
「そういや、あの時も僕の事をからかっていたよね。ま、それでまんまと騙されたら世話ないんだけど。」
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