第40話
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の申し出にエステルは驚き、リフィアは不思議に思って尋ねた。
「エステルさんには助けていただいた恩がありますし、しばらく元の世界には帰りたくないんです。……それとさっきも言いましたがご主人様との契約はもう解除されちゃいましたから……ご主人様が私を覚えていたら新たな契約を申し出なかったかもしれませんが、見事に私の事を忘れていましたからね……ですからご主人様の事はもういいんです。」
前の主の事を言われたテトリは寂しそうに笑って答えた。
「テトリ……わかったわ!ぜひ、あなたの力を貸して!弓の腕も凄かったし、ぜひお願いするわ!この世界のよさをあたしがいっしょにいて、教えて上げるわ!」
「急な私の申し出を受けてくれてありがとうございます。……では両手を出してくれませんか?」
「うん。」
テトリの言葉通り、エステルは両手をテトリの目の前に出した。そしてテトリはエステルの両手を握り、両手から伝わるエステルの魔力に溶け込むように消えた。
「……サエラブの時とはやり方が違うね。エステル、また新たな力を感じるのかい?」
「うん。……なんだろう、根強い大地の力を感じるわ。……テトリ!」
少しの間、自分の両手を見た後、エステルは新たな仲間――テトリを召喚した。召喚されたテトリは光の中から地響きのような音と共に光の中から出て来た。
「これからよろしくね!」
「はい!母なる大地の力、エステルさんを助けるために役立てます!」
「ありがとう。そうだ、テトリの前の主の事、教えてくれないかな?」
「え?どうしてですか?」
前の主の事を聞かれたテトリは首を傾げた。
「だって、その人契約を解除したとはいえテトリの主だったんでしょ?同じ契約主として精霊が力を貸してくれる事がどれだけありがたい事とテトリがどれだけ傷ついたかを思い知らせるために、その人に会ったら今のテトリの主としてブッ飛ばしてあげるわ!」
「あわわ……私のためにそんな寿命を縮めるような事をしなくていいです!」
「っぷ。ぷっくくく……神殺しをブッ飛ばすか。お前は余も予測できないことを言うから、本当に面白いな……っぷっくくく!」
エステルの言葉にテトリは慌て、テトリの前の主の事を知っているリフィアは声を押し殺して笑った。そして新たなる仲間と力を手に入れたエステルはヨシュア達と共に次なる目的地、ルーアンに向かって進み始めた……
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