第39話
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「全てを燃やしつくす暗黒の炎!……魔剣奥義!暗礁!火炎剣!!」
「「「「グォォォォォ………!!」」」」
斬撃の構えで放った衝撃波は紫色に燃える妖しい炎と同化して狼達に襲い、狼達に断末魔を上げさせながら塵や骨も残さず焼き尽くした。そしてプリネの攻撃を最後にリフィア達を囲んでいた狼達は全滅した。
一方エステル達の戦いも終盤に向かっていた。
「せいやっ!」
アガットの重剣による豪快な一撃は敵を真っ二つにし
「おぉぉぉ!」
冷たい視線で敵の動きを鈍らせて、さらに精神的に追い詰めるヨシュアのクラフト――魔眼で狼達にダメージを与えると共に動きを止めさせているところを
「………風よ、切り裂け!旋刃!!」
エステルの風の魔術で狼達を切り裂いて倒した。倒された狼達は魔獣が倒れた時と同じようにセピスを落として消滅していった。
「ふう……なんとかやっつけたわね。」
「うん、数も多かったしなかなか手強い相手だった。」
真夜中の戦闘がようやく終了してエステルとヨシュアは一息ついた。そしてアガットはしばらくの間エステル達を観察して、自分なりの正当な評価をした。
「………………………………フン……思ったよりもやるみたいだな。ま、あのオッサンの手解きを受けていたんだったら当然か。……魔術に関してはサッパリわからねえがシェラザードには劣るが上手く使ってやがるな。」
「え。」
アガットが自分達を少しだけ認めたことにエステルは驚いた。
「勘違いするなよ。あくまで新米としてはだ。まだまだ正遊撃士には遠いぜ。」
驚いているエステルにアガットは忠告した。
「おーい!そっちは大丈夫か!?」
そこにボース側の関所前で戦っていた隊長と副長がやってきた。
「ああ、問題ない。一匹残らず片付けたぞ。気絶していたヤツはどうだ?」
「思ったよりも軽傷だ。お前がいてくれて助かったよ」
「さすが『重剣のアガット』だぜ。」
「大したことはしてねぇよ。それに、このガキどもやそこのメンフィル人どもがそこそこ働いてくれたからな。」
口ぐちアガットを高評価した隊長や副長にアガットはなんでもない風に装って、エステル達の働きも言った。
「そうなのか……嬢ちゃんたち、ありがとうな。」
「う、うん。」
副長のお礼の言葉をエステルは戸惑いながら受け取った。
「へえ……嬢ちゃん達はメンフィル人だったんだ……てことは”闇夜の眷属”なのか?」
隊長はリフィア達を興味深そうな表情で見て尋ねた。隊長の疑問にリフィア達を代表してプリネが答えた。
「ええ、余計なお世話かと思いましたが手伝わさせていただきました。」
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