第二部
狩るということ
じゅうよん
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された文字は『未確認生命体』といったところだ。
そういったモノがゆっくりと騎士団から離れて行くのを立体映像越しに認め、溜息を吐く。
なんだか最近このパターンがやたら多い気がする……。
かといって、のこのこと彼女以外の前に姿を出すのは躊躇われる。エリステインが好意的に私を受け入れてくれたのは、はっきり言って異常であると言わざるを得ない。それがこの騎士団全員に当てはまると思えるなどと、都合の良い話は存在しない。
こんなことで頭を悩ませるのであれば、はじめからそこに残っていれば良かったのだが……。
というか、何故私は行動すること前提で脳内を働かせているのだろうか。
腑に落ちなというか、理解している故に、納得しづらいというか……。自分でも難儀な性格をしていると、頭を抱えそうになる。
私は自分に言い訳をして、舌打ちをしながら最悪のパターンを想定して行動に移る。
装備品に関しては、いまのままで取り合えずは良し、一つだけ念のためにと、それを肩に掛ける。
私は左腕のコンピューターガントレットを操作し、船の後部ハッチを開け放った。
―
若干の焦燥感に駈られながら辿り着いた先に見える光景は、正に地獄絵図だった。
そこら中に漂う臓腑の臭いと、飛び散る肉塊。ほどよく水分を含んでいた地面は、雨も降っていないのにも関わらず、いまではいたるところに不自然な水溜まりができている。
私は引っくり返した玩具箱のような一角を、光学迷彩機能を切りながら無造作に歩く。
ヘルメット内で自動的にデータを収集しており、細かくどこの部位か知らせるために忙しなく流れてくる情報を無視し、地面に散らばる一本の破片を無造作に掴みとる。
……左腕、99パーセントの確率で合致ね。
肩に掛けたそれを地面へと下ろし、表面のスリット部分を一度指でなぞり手のひらを押し当てると、機械的な音を鳴らして上部が開いていく。
もわっと内部より白い煙が溢れ、重力に負けて地面へと流れていく。
私が持ってきたもの。それは回収したサンプルなどを低温で保存するための箱のような物だと考えてもらえれば分かりやすいだろう。
正確には、特殊な液体に浸けて腐敗や寄生虫の増殖等を防ぐ物であるが、代用品として申し分ないだろう。
私は彼女の肘から先に位置するその腕を箱にいれると上部を閉じて、再度肩に担ぐ。
その間にも、ヘルメットは勝手に情報を収集していき、微かな音を捉えては私に確認するようにと、促すマーカーが表示される。
虫の息とはよく言ったもので、マーカーの一つに目を向けて、ヘルメットの視覚情報を操作してみれば、言葉通りの彼女を発見するに至った。
彼女と折
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