外伝〜銀閃と黄金の軍馬の旅行者〜 (1章終了)
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空を見て呟いたオリビエだったが、その時背後からシェラザードの声が聞こえ驚いて振り向いた。
「シ、シェラ君……」
「ツァイスの中央工房ですら実用化していないオーブメントを持っているなんてね……。あんた、いったい何者なの?」
「フッ、水くさいことを言わないでくれたまえ。漂泊の詩人にして天才演奏家、オリビエ・レンハイムのことはキミも良く知っているはずだろう?だが、もっと知りたいのであれば所謂ビロートークというやつで……」
「悪いけどマジなの。道化ゴッコは通用しないわよ。エレボニア帝国の諜報員さん。」
「フフ、『風の銀閃』の名はどうやらダテじゃなさそうだね。エステル君やメンフィルの姫君達の前では気付かぬフリをしていたわけか。」
シェラザードを誤魔化そうとしたオリビエだったが、真剣に自分を睨み仮の推測で自分の正体を言ったシェラザードにオリビエは否定もせず、シェラザードに感心した。
「これ以上、あの子達やお世話になっている人から任されたご息女に余計な心配をかけたくないもの。それじゃ、詳しいことをサクサクと喋って貰おうかしら。あんたの目的は?どうやってリベールに潜入したの?」
「その前に……2つほど訂正させてくれるかな。まず、道化ゴッコはしていない。ボクの場合、これが地の性格でね。擬態でも何でもなかったりする。」
「あー、そうでしょうね。ワインをダダ飲みしたのだって飲みたいからやったんでしょうよ。」
オリビエの答えにシェラザードは溜息をつきながら納得したが、その後真剣な表情でオリビエを睨んだ。
「ただしその後、門に連行されて情報を集めることまで計算してね。私達と合流する事まで狙っていたとは思えないけど……」
「フフフ……そのあたりは想像にお任せするよ。……訂正するのはもう1つ……この装置はオーブメントじゃない。帝国で出土した『古代遺物』さ。あらゆる導力通信器と交信が可能で暗号化も可能だから傍受の心配もない。忙しい身には何かと重宝するのだよ。」
オリビエは懐から先ほどまで使っていた装置らしき物を出して説明した。
「アーティファクト……七耀教会が管理している聖遺物か。ますますもって、あんたの狙いが知りたくなってきたわね。あんたも知ってると思うけどリベールは唯一異世界の国であり、
”大陸最強”を誇るメンフィルと同盟を組んでいる国……まさか同盟を崩す工作や……それとも、自分達にとってリベール侵攻を邪魔された恨みや仲間の仇であるメンフィルの重要人物の誘拐や暗殺かしら?」
オリビエの説明を聞いたシェラザードはますます警戒心をあげ、目を細めてオリビエを睨んだ。
「イヤン、バカン。シェラ君のエッチ。ミステリアスな美人
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