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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(FC篇)
第35話
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前の部屋でまた下っ端達が行く手を遮った。

「けっ、おいでなすったか……」

「勝とうとなんて思うな!兄貴たちが逃げるまでの間、時間稼ぎができればいいんだ!」

「ああ!兄貴たちにはいろいろ世話になったからな。恩返しをさせてもらうぜ!」

「フッ、自らを盾にして主人のためにつくすか……。愚かではあるが、なかなか天晴な心意気だ。」

下っ端達の叫びにオリビエは感心した。そこにサエラブが前に出て来て、口を大きく開いて大声で吠えた!

「ウオオオオオオオォォォォッ!!」

「「「「ウワァッ!?」」」」

サエラブの咆哮は強力な衝撃波となり、道を塞いでいた空賊達を吹き飛ばした。

「すごっ……!」

「吠えるだけであそこまでの威力……!」

サエラブの咆哮による攻撃にエステル達は驚いた。

(何をしている!こいつらは我が相手をしてやる!行け!)

驚いているエステル達に念話を送り、サエラブは頭をドルン達が逃げ去った方向に振り、エステル達に先に進むよう促した。

「う、うん……一人で大丈夫!?」

(侮るな!我は自らの悪を喰らいさらなる強さを手に入れた”善狐”!このような雑魚共相手に手間取る我ではない!)

「わかったわ、気を付けてね!」

「お願いします!」

「フッ……このボクに任せたまえ、狐くん♪」

「行くわよ、3人共!」

サエラブの念話に頷いたエステル達は吹き飛んで壁にぶつかり、呻いている空賊達を無視してさらに先に進んだ。



〜空賊団アジト・地上〜



ようやく空賊艇がある地上に出たエステル達だったが、なんとそこには王国軍の警備艇が停泊しており、ドルン達を拘束した王国軍兵士達がいて、さらにはナイアルとドロシーがいて、ドロシーがドルン達の写真を撮っていた。

「へっ……」

「これは……」

いつの間にか現れて空賊の首領達を拘束した王国軍兵士達にエステル達は驚いた。

「くそっ、まさか軍にここの場所を知られるとは!あの野郎、話が違うじゃないか!」

「こ、こらっ!気安くボクに触るなよっ!」

「おいおい……何がどうなってるんだぁ!?」

拘束された空賊の首領達は連行されながら、さまざまな事を言った。

「は〜、あの人たちが空賊さんたちのボスですか。女の子もいるなんて、なんかビックリですねぇ。」

「無駄口叩いてないで、とにかく撮りまくれっ!こんなスクープ、滅多にあるもんじゃねえ!」

「どうだ、ナイアル君。いい記事は書けそうかな?」

ドロシーに必死の形相で指示しているナイアルに兵士達を引き連れ、カノーネやモルガン達と共に来たリシャールが話しかけた。



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