第33話
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の一人は膝をついた。
「ちょっと!人質はどこにいるの?正直に言わないと、ひどい目に遭わすわよ!」
「か、勝手にしやがれ。誰が喋るもんかよ……」
痛みで呻いている空賊に尋ねたエステルだったが、空賊は情報を口にしなかった。
「あーら、そう。エステル、どいてなさい。」
「う、うん……」
シェラザードの言葉にエステルは戸惑いながらどいた。そしてシェラザードは鞭を震ってさらに空賊を痛めつけた!
「ぎゃっ……!」
「ふふ、手加減しているから簡単に気絶できないでしょう?素直に話してくれればゆっくりと寝かせてあげるわ。」
悲鳴を上げた空賊にシェラザードは鞭を床に叩いて脅迫した。
「ひ、ひいいいい……。この下の階にいるっ!俺たちの仲間が守ってるんだ!」
シェラザードの本気の態度に恐れた空賊はあっさり大切な情報を手放した。
「素直でよろしい。キールとジョゼットっていう首領格の連中はどこにいるの?」
「ふーん、人質はともかく自分たちのボスは売れないか。仕方ない、勘弁してあげるわ。」
自分達の首領の情報を頑なに話そうとしない空賊にシェラザードは弱冠感心し、飛び掛かって勢いよく鞭を空賊に振るった!
「ぎゃうっ!………う〜ん……」
「うっわ〜……相変わらず容赦ないわね。」
情報を引き出された後、容赦なく気絶させられた空賊を見てエステルは言った。
「失礼ね。これでも手加減してるんだから。」
エステルの言葉にシェラザードは心外そうな顔で反論した。
「確かに、そこはかとなく気持ちよさそうな感じではあるね。」
「あら、試してみる?」
「いや、またの機会に。」
オリビエの言葉にシェラザードは鞭を構えたが、オリビエはキッパリと断ったので鞭をしまった。
「人質が監禁されているのは下の階のようですね。急ぎましょう。」
プリネの言葉に頷いたエステル達は下の階層へと進んだ。
「それにしても……ここって一体なんなのかな?あいつらが造ったにしては大きすぎるし、古めかしいけど。」
下の階層に降りてエステルはさっきから疑問に思っていたことを口に出した。
「大昔の城塞のような雰囲気ね。その頃の隠し砦を、アジトとして使っているんじゃないかしら?」
「『大崩壊』から数百年以上、戦乱の世が続いたそうだからねぇ。こういうものが残っていてもそれほど不思議ではないだろう。」
エステルの疑問にシェラザードやオリビエはそれぞれの自分なりの答えを言った。
「『大崩壊』?」
「1200年前にあったっていう古代ゼムリア文明の崩壊のことだよ。天変地異が原因と言われているんだ。
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