第32話
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なくてはいけないからな。」
「それはどうしてだい?」
シェラザードの疑問に答えたリフィアの言葉にヨシュアは聞き返した。
「私達は”皇女”ですからね。お酒にやられて判断がつかないところを狙われて”間違い”を起こしたり、覚えのない婚約を結ばせる訳にはいきませんから。」
「ま、”間違い”って……」
プリネの言葉からある事を連想したエステルは顔を赤らめた。
「まあ、国内でそんなことを考える輩はいないが、他国との付き合いではどうしても酒は出てくるものだ。だから、余達――皇族は酒に慣れるために幼少の頃より必ず食事に酒は出されたし、判別の仕方等でも呑んだから自然と強くなったのだ。……まあ、父達やリウイが酒に強いのも関係していると思うがな。」
「なるほどね……」
ヨシュアはリフィアやプリネの説明に納得して頷いた。
「それよりもコイツ、どうするの?しばらく使い物にならないわよ。」
ベッドに寝込んでいるオリビエをエステルは一切心配せず、どうするか聞いた。
「このまま寝かせておきましょう。……ここから先は、空賊たちと直接対決になる可能性が高いわ。やっぱり、ただの民間人を巻き込むわけにはいかないからね。」
「え、もしかして……。付いて来させなくするために、わざとオリビエを酔わせたとか?」
シェラザードの言葉にエステルは驚いて聞いた。
「えっ……。………………………………。あ、当ったり前じゃない。深慮遠謀のタマモノってヤツよ。」
「その間は何なのよ……」
「絶対ナチュラルに楽しんでたね。」
「絶対今の、嘘だね。」
「あはは……」
「やれやれ……戸惑わずにすぐに答えればその嘘も本当に思えたものを……」
少しの間考えた後、笑顔で肯定したシェラザードにエステルやヨシュア、エヴリーヌは白い目で見て、プリネは苦笑し、リフィアは溜息をついた。
そしてエステル達は真夜中に隠れて、見張っていたところロイドの話通りのカップル――空賊の兄妹が現れ、さらに黒装束の怪しい人間達と会話をし始めた。
シェラザードの提案でエステル達は空賊達が黒装束達と話をしている隙に、空賊艇を抑えるために一端ヴァレリア湖から離れて飛行艇が停泊できそうな所を探していたところ、なんと昔からある遺跡――琥珀の塔の前に空賊艇が停泊し、さらに空賊達がたき火をたいて自分達を纏めている人物達――キールやジョゼットを待っていた。
〜琥珀の塔・入口前〜
「なるほど『琥珀の塔』の前か。確かに街道から外れてるから停泊場所としてはうってつけね。」
岩陰に隠れながらシェラザードはたき火を囲っている空賊達や空賊艇を見て、頷いた。
「『
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