第31話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
宿屋の受付で部屋をとったエステル達は一端自由行動にした。シェラザードとオリビエは果実酒を飲みかわし、エステルとリフィアは釣りで勝負をして楽しみ、ヨシュアとプリネはそれぞれ宿屋のベランダにあるテーブルの傍にある椅子に座り読書をし、またエステルとプリネは使い魔達を召喚し自由に遊ばせ、エヴリーヌは適当な場所で日向ぼっこをして昼寝をした。楽しい時間はすぐに過ぎ、気がつくと夕方になっていた。
〜ヴァレリア湖・夕方〜
「ふ〜、もう夕方か……」
「む?もう、そんな時間か。」
魚をまた釣ったエステルは辺りが夕焼けにそまっているのに気付き、リフィアはそれに気付いて残念そうな表情をした。
「うん!なかなかの戦果ね。」
「むむむ……余が勝負事で負けるとは。次はこうは行かないぞ!」
「ふふ〜ん♪いつでも受けて立つわよ♪」
エステルが釣った魚の数と自分が釣った魚の数を見てリフィアは唸り、エステルは得意げな表情をした。
「見て見て、ヨシュア、プリネ。こ〜んなに釣っちゃったわよ!」
「ふふ、凄いですね。」
読書をしているヨシュア達に自慢するために振り向いたエステルだったが、そこにはプリネしかいなかった。
「あり?ヨシュアは?」
「ヨシュアさんでしたら、先ほど席を立ってどこかに行きましたよ。」
「ふ〜ん。……あれ、これって……」
机に近づいたエステルはテーブルの上に置いてある本――『実録・百日戦役』を見つけた。
「あら。先ほどヨシュアさんが読んでいた本ですね。」
「じゃあ、ヨシュアの忘れものじゃない。いつも澄ましてるクセに割と抜けてるトコがあるのよね〜。仕方ない、あたしが届けてやるか。」
「私達はエヴリーヌお姉様を起こして先に宿屋で待ってますね。」
「うん、わかった。」
そしてエステルはヨシュアを探して歩き周った。
〜外れの桟橋〜
そこにはヨシュアが無言で寂しそうに佇んでいた。
「よっ、少年。こんなところで何をたそがれておるのかね?」
「はは……たそがれてなんかいないけどね。もう、釣りはいいの?リフィアと勝負していたんじゃないの?」
エステルの声のかけかたに苦笑しながらヨシュアは振り向いた。
「うん、夕食の時間が近いから切り上げてきちゃった。もちろん、あたしの勝利でね♪あ……そうだ。」
エステルはヨシュアに先ほど見つけた本を差し出した。
「も〜、読書するとか言って置きっぱなしにしちゃってさ。それに美人でスタイル抜群、おまけに器量よしと女の子として完璧な上、皇女様なプリネといっしょに読書をする機会なんて滅多にないわよ〜。せっかく気を効かせて話しかけな
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ