第31話
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食べて真夜中に備えなくちゃね。」
そしてヨシュアとエステルが宿に戻ろうとした時、ヨシュアは何かの気配を感じて足を止めた。
「!エステル、気をつけて!」
「ふえ!?」
いつでも戦闘ができるようにヨシュアは双剣を構えたが、エステルは驚いて周囲を見渡した。すると湖の底から巨大で翼を持つ竜らしき生物が大きな水音を立て、現れた。
ザッパーーーーーン!!
「な!!」
「り、竜!?」
湖の底から現れた竜のように見える生物を見て、2人は驚いて声を出した。
「まさか、噂が本当だったなんて……もしかして、この竜?がプリネ達が言ってた”水竜”なのかな?」
「………みたいだね。どうする、エステル?」
水竜と思わしき生物を見上げたエステルは呟き、ヨシュアは頷いた後武器の構えを解かず、どうするかエステルに聞いた。
「どうするって……どうしようかしら??」
ヨシュアの言葉にエステルは判断がつかず、首を傾げた。すると水竜は長い首を動かし、エステルに顔を近づけた。
「エステル!!」
エステルに近づく水竜にヨシュアは焦って双剣を構えて声を出した。
「待って、ヨシュア。」
焦って攻撃をしようとするヨシュアにエステルは片手で制した。エステルの言葉通り、近付いてきた水竜の顔はエステルの目の前で止まり、エステルを見つめた。
「あたしに何か用?」
自分を見つめている水竜にエステルは言葉をかけた。
「……………………」
しばらくエステルを見つめていた水竜はエステルから感じる僅かな懐かしい魔力やエステルの雰囲気に、水竜が子供の頃に出していた鳴声でエステルに甘えた。
「………ク―…………」
水竜が感じた僅かな魔力とは水竜がかつて契約した主と同じ魔力だったのだ。なぜ、エステルにかつての主の魔力が僅かながら感じたのは、水竜と同じ主に仕えたことのあるパズモと契約した際、パズモに残っていたかつての主の僅かな魔力がエステルの魔力と混ざっていたのだ。
「わぁ、見た目によらず結構可愛い鳴声ね♪」
一方理由がわからないエステルは水竜の鳴声に喜び、手を出した。すると水竜は懐くようにエステルの手に顔を擦りつけた。
「ふふ、くすぐったいわよ♪」
「やれやれ、相変わらず凄いな。エステルは……」
エステルと水竜のやりとりにヨシュアは安心して武器を収めた後、水竜と仲良くしているエステルを感心した表情で見た。そしてある事を考えたヨシュアはエステルに聞いた。
「エステル、もしかしてその水竜の言葉がわかるの?」
「ううん。契約している訳でもないし、この子の言葉はわかんないわよ。でも、なんとなくこの
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