第31話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
かったのに、ヨシュアったら読書に夢中でプリネには一回も話しかけないなんて勿体ないわね〜。そんなんだから可愛い彼女ができないんだよ?」
「余計なお世話だよ。そういうエステルだって皇女様と釣りで勝負するなんて、釣り勝負の中では前代未聞じゃないのかい?」
エステルのからかいの言葉にヨシュアは溜息をついた。
「まあいいや。……ちょうど読み終わったばかりでさ。目が疲れたから気分転換に散歩してたところなんだ。」
「こーら。」
ヨシュアの様子に溜息をついたエステルは近付いた。
「な、なに?」
エステルが近付きヨシュアは珍しく焦って一歩下がった。
「まーた1人だけでなにか溜め込もうとしてるな?分かるんだってば、そーいうの。」
「………………………………」
エステルの言葉にヨシュアは口を閉ざした。
「大体ね、フェアじゃないわよ、ヨシュアだって、あたしが落ち込んだ時には慰めるクセに……あたしじゃ父さんみたいに頼りにはならないと思うけど……それでも、こうやって一緒にいてあげられるんだから。」
ヨシュアの隣に来たエステルは優しい笑顔でヨシュアに言った。
「…………………………………………ごめん…………」
エステルの言葉にヨシュアは辛そうな表情で謝った。
「こういう時には、ありがとう、でしょ?ヨシュアって頭はいいけど肝心なことが分かってないんだから。」
「はは、本当にそうだな。ありがとう……エステル。」
エステルが教えたことにヨシュアはようやく笑い、お礼を言った。
「うむうむ、苦しゅうない。あ……そうだ!ハーモニカを1曲。お礼はそのあたりでいいわよ。」
「おおせのままに……『星の在り処』でいいかな?」
ハーモニカを取り出したヨシュアはなじみ深い曲でいいか尋ねた。
「うん。」
エステルが頷き、桟橋を支えている木の柱に座ったのを見て、ヨシュアはハーモニカを吹き始めた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪
ヨシュアのハーモニカの曲は儚げながらも耳に残る曲で、シェラザードやオリビエ、プリネ達を含めヴァレリア湖の客達も耳を傾けて聞いていた。ちなみにヨシュアのハーモニカの曲にプリネは驚いた表情で聞いていた。
「えへへ、なんでかな。ハーモニカの音って夕焼けの中で聞くとなんだか泣けてくるよね。」
ヨシュアがハーモニカを吹き終わるとエステルは目元についていた涙を拭った。
「………………………………相変わらず……何も聞かないんだね。」
「………………………………あは……約束したじゃない。話してくれる気になるまであたしからは聞かないってね。」
エステルから目をそむけているヨシュアにエス
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ