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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第2章〜 麗しき翡翠の都〜 第21話
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あ、導力エンジンの強化がやっと終わってくれたからね。帝都あたりまでひとっ走りしてくるかな。」

「やれやれ、相変わらず勝手気ままに生きてやがんな。」

「フフ、君にだけは言われたくないけどね。」

青年の言葉に口元に笑みを浮かべて答えたアンゼリカは導力でできた乗り物らしき物に跨り、エンジンをかけた。



「(やっぱり跨るのか……)こ、これは……」

その様子を見ていたリィンは驚き

「フフ、それじゃあ。いずれ私も依頼を出すからぜひ応じてくれると嬉しいな。」

アンゼリカは導力の乗り物を動かしてその場から去って行った。



「あ………」

「クク、ずいぶんと度肝をぬかれたみたいだな。今のは『導力バイク』ってジョルジュが組み上げたものだ。なかなかロックだろ?」

呆けている様子のリィンを面白がるかのような表情で見つめている青年は説明をした。

「ええ……まるで鉄の馬みたいだ。一般に普及している乗物じゃないですよね?」

「ああ、”ルーレ工科大学”で試作されていたものをジョルジュが完成させてな。パーツの資金はゼリカが提供して俺とトワも制作を手伝ったんだぜ?」

「へえ、やっぱり随分と手がかかってるんですね―――そういえば、トワ会長やジョルジュ部長と親しいんですか?アンゼリカ先輩も二人から話を聞いたと言ってましたけど……」

目の前の青年が自分の知る人物達と知り合いかのように話す事に不思議に思ったリィンは尋ねた。



「ま。全員クラスは違うが1年の時からの腐れ縁でな。っと……そういや言い忘れてたか。―――2年X組所属、クロス・アームブラストだ。よろしくな、リィン後輩。それじゃお先に〜。」

そして青年―――クロウは名乗った後寮へ向かって歩き出し

「アンゼリカ先輩にクロウ先輩か……トワ会長やジョルジュ部長も大した人だったし……―――士官学院の2年はやっぱり大物揃いみたいだな。」

リィンも寮に向かって歩き出した。
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