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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第2章〜 麗しき翡翠の都〜 第21話
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君が貴族であるかどうかは関係ない。だが、嘘をつく人間を信用することはできない―――ただ、それだけのことだ。」

「マキアス……」

(器の小さい男ね〜。)

リィンを睨んだ後去って行く様子のマキアスをリィンは申し訳なさそうな表情で見つめ、ベルフェゴールはつまらなそうな表情をしていた。そしてマキアスが教室を出ようとしたその時、慌てた様子で走って教室に入りかけたエマとぶつかりかけた。



「きゃっ……ご、ごめんなさい。」

「……いや。気にしないでくれ。」

「えっと……お邪魔しちゃいました?」

去って行く様子のマキアスを見たエマはリィンを見つめて尋ねた。



「いや……そんな事はないよ。委員長はどうしたんだ?」

「その、机に参考書を忘れてしまったんです。……ふう、ありました。」

リィンの問いかけに答えたエマは自分の机に近づいて机の中にあった参考書を取り出して鞄に入れた。



「参考書か……どの教化のものなんだ?」

「ええ、これです。」

「へえ、さすが委員長。あれ、でも中等数学って……日曜学校の範囲内だよな?委員長の成績でもそんなものが必要になるのか?」

「いえ、フィーちゃんに数学を教えてあげる約束をしていて……街の本屋さんで、良い参考書を見つけたので買っていたんです。」

「なるほど……」

エマの話を聞いたリィンは感心した様子でエマを見つめた。



「いけない、フィーちゃんを待たせるんでした。リィンさん、私はこれで。」

「ああ、それじゃあ。」

そしてエマはその場から立ち去ろうとしたが出入り口の所で立ち止まり

「―――リィンさん。心配しないでください。」

「え。」

「マキアスさん、リィンさんの事を嫌っているわけではないと思います。きっかけさえあれば……リィンさんの思いを素直に伝えれば、ちゃんとわかってくれますから。」

「あ……」

リィンに助言をした後去って行った。



「……思いを素直に伝えればちゃんとわかってくれる、か。委員長に言われたら不思議とそんな気になってくるな……(俺も行くか。帰る前に学院内を一回りしていいかもしれない。)」

そしてリィンは学院内を一回りした後寮に戻る為に校門を出ると青年が声をかけてきた。



〜校門〜



「―――よう、後輩君。」

声をかけられたリィンが振り向くと以前出会ったバンダナの青年がリィンに近づいてきた。

「あなたは……もう賭け(ギャンブル)には付き合いませんよ?」

青年と出会った時の賭けを思い出したリィンは呆れた表情で首を横に振った。



「ハハ、別に騙し取るつもりじ
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