第27話
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を覚ましたか。」
カシウスは真剣な表情でリシャール大佐に視線を向けた。
「モルガン将軍には厳重な監視をつけていた……。シードも家族を人質にとって逆らえないようにしていた……。どちらもあなたによって自由の身になったわけですか……」
「まあ、そんなところだ。だがな、リシャール。俺がしたのはその程度のことさ。別におれがいなくたって彼らは自分で何とかしたはずだ。」
「いや……違う。やはりあなたは英雄ですよ……。あなたが軍を去ってから私は……不安で仕方なかった……。今度、侵略を受けてしまったら勝てるとは思えなかったから……。だから……頼れる存在を他に探した。あなたさえ軍に残ってくれたら私もこんな事をしなかったものを……」
「………………………………」
リシャール大佐の本音を聞いたカシウスは何も語らず黙ってリシャール大佐に近づいて拳を振るってリシャール大佐を殴り倒した!
「ぐっ……!」
「甘ったれるな、リシャール!貴様の間違いは、いつまでも俺という幻想から解き放たれなかったことだ!それほどの才能を持ちながら、なぜ自分の足で立たなかった!?俺はお前がいたから安心して軍を辞めることができたのだぞ!?」
「た、大佐……」
カシウスの口から出た真実を聞いたリシャール大佐は信じられない表情をし
「俺は……そんなに大層な男じゃない。10年前も、将軍やお前たちが助けてくれたから勝つことができた。そして、肝心な時に大切なものを自分で守れず人任せにしてしまい、二度とその過ちをしないために現実から逃げてしまった男にすぎん。」
「……父さん……」
「だがな……もう二度と逃げるつもりはない。だから、リシャール。お前もこれ以上逃げるのはよせ。罪を償いながら、自分に何が足りなかったのかを考えるがいい。」
肝心な時に大切な物を守れなかった事に後悔している事を知り、心配そうな表情をしているエステルや、そしてリシャール大佐の為にも決意の表情である決意をして、リシャール大佐を見つめた。
こうして、情報部によるクーデター計画は幕を閉じた。モルガン将軍とシード少佐によって王国軍部隊の混乱は収拾され……計画に荷担していた情報部の人間は各地で次々と逮捕されていった。そして数日後………
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