第30話
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エヴリーヌの言葉を聞き、ヨシュアは男性の動作を見て感心した。
「フッ、仕方ない。ここはボクの出番のようだね。」
「へっ……」
オリビエが前に出て来、何かすると思ったエステルは場所を空けた。そしてオリビエは男性の傍に近づき耳に息を吹きかけた。
「……ふう〜っ……」
「ひゃああっ!?な、なんだね君たちは!?い、い、いつからそこにっ!?」
オリビエの行動に驚いた男性は飛び上がり、エステル達に気付いた。
「エ、エゲツな〜……」
「見ているコッチも思わず鳥肌が立っちゃったわね……」
「……プリネ、あいつの傍いっちゃダメだよ。」
「フフ、ありがとうございます。エヴリーヌお姉様。」
オリビエの行動にエステルとシェラザードは呆れ、エヴリーヌはプリネを守るように自分の後ろに隠すためにプリネの前に移動した。
「やあ、ごきげんよう。先程から声をかけていたんだが、さすがプロ、凄い集中力だねぇ。」
驚かした張本人であるオリビエは悪びれもせず話しかけた。
「あなたがロイドさんですね?」
「あ、ああ、その通りだが。はて、どうして私の名を?」
ヨシュアの言葉に男性――ロイドは首を傾げた。
「ここにいる3人からあなたのことを聞いたのよ。少し時間をいただけないかしら?」
シェラザードはリフィア達をロイドに見えるようにどき、尋ねた。
「なるほど……そこのお嬢さん達から聞いたのか。ああ、確かに見たよ。おとといの夜、奇妙な連中をね。」
「やっぱり……。その話、あたしたちにも詳しく教えてくれないかな?」
「……その前に。君たちは遊撃士だって?何か事件に関係することかい?」
エステルの質問にロイドは聞き返した。
「断言は出来ません。ですが、可能性はあります。」
「わかった……そういう事なら協力しよう。」
ヨシュアの説明に頷いたロイドは話し始めた。
「おとといの晩……ボートで夜釣りに出た時のことさ。ヌシとの格闘に明け暮れた私はクタクタになって宿に戻ってきてね。すっかり夜も更け、宿の者全員が眠りに就いている時間になっていた。」
「ちょっと待って。……そのヌシっていうのは?」
ある言葉が気になりシェラザードは尋ねた。
「よくぞ聞いてくれました!」
シェラザードの質問にロイドは目を輝かせて声を上げた。
「ヌシというのはこのヴァレリア湖に住む巨大マスのことでねっ!もう10年以上も前から我々釣り愛好家のあいだで畏怖されている魚なんだよっ!」
(しまった……)
(マニア心に火をつけましたね……)
熱く語り出したロイドを見てシェラザードは後悔し、ヨ
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