第29話
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証拠とは余だ!」
「リフィアが?」
高らかに言ったリフィアをヨシュアは不思議そうな表情で見た。
「うむ!余の父――シルヴァンはリウイと側室の一人であり近衛騎士団長であったシルフィアの息子で、同じく母――カミ―リはリウイと同じ側室のカーリアンの娘だ!」
「へえ………エステル?どうしたんだい?」
弱冠驚いたヨシュアは先ほどから黙って俯いているエステルの様子がおかしいと思い、声をかけた。
「へ!何??」
ヨシュアに呼ばれたエステルは驚いて顔を上げた。
「いや、エステルがさっきから黙っているからどうしたのかと思って。」
「ちょっと考え事よ!それより、リフィアのお父さんが今のメンフィル皇帝だっけ?」
「うむ、それがどうかしたか?」
「さっきの話を聞くとリフィアのお父さん達のお母さんって側室なんだよね?」
「……ああ。」
エステルの言葉に何かあると思ったリフィアは真面目な表情をして先を促した。
「気になったんだけど……プリネのお父さん――リウイって人だっけ?のえ〜と……正室の子供はいないの?」
「!!」
エステルの言葉にリフィアは目を大きく開いて驚き
「………………」
エヴリーヌは複雑そうな表情をし
「…………………それは…………」
プリネは悲しそうな表情で呟いた。
「え?え?何?あたしなにかマズイこと言った??」
リフィア達の空気が凍ったことに気付いたエステルは慌てて聞いた。
(どうしたんでしょう、リフィア達。)
(私にもわかんないわよ……ただ、以前師匠にもメンフィル大使の正室の方はどんな方か聞いたことがあるんだけど、いつもはぐらかされるのよね……)
(ふむ……何か深い理由がありそうだね。)
リフィア達の様子がいつもと違う事にヨシュア達は小声で会話をしていた。
「えっと……お父様の正室の方ですね。実は正室の方は若くして子を残さず死去されたのです。」
「あ………ゴメン……もしかしてあたしかなりマズイことを言ったみたいだね………」
気を取り直したプリネの言葉にエステルは気不味そうな表情をして謝った。
「いえ、気にしない下さい。知らなかったのですから仕方ありません。……お父様と正妃様の出会いは決していいものではありませんでしたが、お互い惹かれ、愛し合い、周囲の者達が羨むような仲睦まじい夫婦で、誰もがお父様達の子を期待したのですが正妃様は若くして無念の死を遂げられたのです……」
「そう……だったんだ……病気か何か?」
「………まあ、そのようなものだ。ちなみにプリネの母であるペテレーネは当時、リウイと正妃様の傍で世話をする侍女と
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