第29話
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自分達の正体を言いあてられたリフィアは本来の皇族としての態度で言った。
「ハッ。」
リフィアに言われた軍人とカノーネは跪くのをやめて立った。
「お前達の名は。」
「名乗り出るのが遅くなり申し訳ありません。王国軍大佐、リシャールと申します。」
「同じく王国軍大尉、カノーネと申します。リシャール大佐の副官を務めております。」
(……この方が「情報部」の……)
(……………………………)
自分達の名を名乗ったリシャールをプリネはナイアルから聞いた情報を思い出し、エヴリーヌは何かの違和感を感じ、探るような視線でリシャール達を見た。
「リシャールにカノーネか。……ん?リシャールとやら、お前の顔はどこかで見たことがあるのだが余の気のせいか?」
「ハッ。以前の女王陛下とリウイ皇帝陛下との会談の際に若輩の身ながら女王陛下のお傍に控えさせていただきました。」
リフィアの質問にリシャールは敬意を持って答えた。
「………思い出したぞ。あの時、モルガンやカシウスと共にアリシア陛下の傍にいた者か。それで余達に何のようだ?余達も忙しい身でな、あまりお前達に構っておられんのだ。」
「ハッ。先ほどの部下達の不手際、またモルガン将軍の不手際を重ねて謝罪させてもらうために、どうか殿下達の大切なお時間を少しだけいただいてもよろしいでしょうか?」
「そのことか。よい、もうその件は余達の要求をあの老将軍が呑んだ時点で解決した。先ほどの件もあまり気にしておらぬ。関係のないお前達が謝る必要などない。」
リシャールの言葉にリフィアは気にしていないことを言った。
「いえ、リベールとメンフィルが同盟国同士として、末永く付き合って行くためにも謝罪はさせていただきたいのです。また貴国と密接な関係であり国教でもあるアーライナ教や、イーリュン教ともさらなる密接な関係を結ばせていただくためにも、殿下達のご不満をこの場で絶っておきたいのです。」
「………アーライナ教が我が祖国メンフィルと密接な関係であることはわかるのですが、なぜそこでイーリュン教も出てくるのでしょうか?イーリュン教はメンフィルを含めて、どの国に対しても公平な態度を取っていますが?」
リシャールの言葉に疑問を持ったプリネは尋ねた。
「独自で調べた我が軍の情報ではかの『癒しの聖女』殿がリウイ皇帝陛下のご息女であり、プリネ姫や現皇帝、シルヴァン陛下の姉君だという情報がありますので、勝手ながら推測をさせていただきました。」
「ほう。まさかティア殿と我らの関係まで調べていたとはな……なかなかやるではないか。」
リフィアはリシャール達が叔母であるティアとメンフィルの関係まで調べ上げていることに
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