第29話
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服の軍人に注意された士官は慌てて言い訳を言った。
「ほう、そうだったのか……。だったら尚更だろう。軍とギルドは協力関係にある。対立を煽ってどうするのだ?」
しかし黒服の軍人は士官の言ったことを気にせず、さらに注意をした。
「し、しかし自分は将軍閣下の意を汲みまして……」
「………付け加えて言うなら彼らを拘束してしまったら君達は良くて牢屋行き、悪くて処刑になるぞ?」
「なっ!?それはどういう意味ですか!!」
黒服の軍人の言葉に士官は焦って聞いた。また、士官につき従っている部下の兵士達も黒服の軍人の言葉にうろたえた。
「私は君達のためにも言っている。……モルガン将軍にも困ったものだ。ここは私が引き受けよう。君は部下を連れて撤収したまえ。」
「し、しかし……」
黒服の軍人の言葉に士官は納得がいかない様子を見せた。
「早朝から始めているのだ。もう充分に調査しただろう。将軍閣下には後で私が執り成しておく。それでも文句があるのかな?」
「りょ、了解しました……撤収!ハーケン門に戻るぞ!」
黒服の軍人の言葉に士官は戸惑ったが部下を連れてその場を去った。
「さて、と……遊撃士の諸君。軍の人間が失礼をしたね。謝罪をさせてもらうよ。」
士官達を見送った黒服の軍人はエステル達に向き直り謝罪をした。
「これは、どうもご丁寧に。ま、こちらも挑発的だったし、お互い様としておきましょう。」
黒服の軍人の言葉にシェラザードは意外そうな表情をした後、気にしていないことを言った。
「そう言ってくれると助かるよ。………先程も言ったように軍とギルドは協力関係にある。互いに欠けている部分を補い合うべき存在だと思うのだ。今回の、一連の事件に関しても君たちの働きには期待している。」
「フフ、失望させないようせいぜい頑張らさせてもらうわ。」
黒服の軍人の言葉にシェラザードは微笑みながら答えた。
(な、なんか……すごくマトモそうな人ね)
(うん……誰なんだろう?)
黒服の軍人の態度にエステルは目を丸くしてヨシュアと小声で会話をしていた。
「大佐……そろそろ定刻ですが。」
軍人の後ろに控えていた女性士官が軍人に言った。
「おお、そうか。だが、その前にやることがある。……カノーネ君。」
「ハッ。」
軍人と女性士官――カノーネはリフィア達の正面に立ち、その場で跪き頭を下げて謝罪をした。
「……部下達の教育がなってなく申し訳ありません。リフィア殿下、プリネ姫、エヴリーヌ殿。」
「申し訳ありません。」
「……顔を上げて立って構わん。ここでは人目につきやすい。」
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