第27話
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「うーん………そうなんだけど、将軍は将軍で事件を解決するために必死で動いているのはよくわかったから、それぐらいにしてあげて。」
「フフ……自分を陥れた相手にも拘わらず相手の心配をするなんてエステルさんらしいですね。」
無実の罪で自分達を拘束したモルガンの心配をするエステルをプリネは微笑ましく思って呟いた。
「リフィアお姉様、当事者であるエステルさんがこう言っているのです。話はこれぐらいにして私達もそろそろ行きましょう。」
「そうだな……では、余達はこれで失礼させてもらうぞ。」
「お、お待ち下さい!せめてお見送りだけでも……!」
「よい。そのようなことに時間を使うより、此度の事件解決への時間に使ったほうが民のためになる。……領空制限の件と協会への情報提供の件、忘れるでないぞ。みな、行くぞ。」
「はい、お姉様。………それでは失礼します。」
「ばいばーい。」
さっさとその場を去ろうとしたリフィア達を見送るためにモルガンは慌てて引き留めたが、リフィアにとっては自分達を見送るより事件解決のために裂く時間のほうが優先なので断り、プリネは軽く会釈し、エヴリーヌは手を軽く振ってエステル達と共に部屋を出た。
「閣下、どうするのですか?」
未だその場で跪いて俯いているモルガンに副官は話しかけた。
「………ボースの領空制限を緩めるぞ。また、哨戒用の警備艇を一隻哨戒からボースに航行してくる飛行艇の護衛に当たらせろ。
そこのお前、今からわしが作成する謝罪の文と情報の書類を遊撃士協会に届けてくれ。」
モルガンは立ち上がり副官や兵士に指示をした。
「ハッ!」
兵士は立ち上がり敬礼して命令を受けたが
「閣下!本当にあのメンフィルの姫殿下達の言いなりになっていいのですか!?」
副官は立ち上がりモルガンに反論した。
「………仕方がなかろう。相手は何といっても現皇帝の直系のご息女であるリフィア殿下やリウイ皇帝陛下と『闇の聖女』のご息女であるプリネ姫だ。今回の件を理由にメンフィルとの同盟を破棄される訳にはいかぬし、冗談抜きでメンフィルに此度の事件に介入されかねん。それにメンフィルと密接な関係にあるアーライナ教会の機嫌を損ねる訳にはいかぬ。アーライナ教会が出している治療薬は他国の軍は大金を出して購入しているが、我が軍には無償提供されていることや我らリベールは他国と違い、メンフィルと密接な関係であることは理解しているな?」
副官の叫びにモルガンは辛そうに答えた。
「それは………」
モルガンの言葉に副官は言葉を失くして俯いた。
「………とにかく、今は一刻も早く事件の解決のために動くぞ!全員、粉骨砕身で空賊達を捜索させ
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