第26話
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い!思い出すだけで腹の立つ!わしはこれで失礼する。」
モルガンはぶつぶつと独り言を言いながら退出した。
「ど、どうなってんの?」
「フフ……。エステルさんのお父様は優秀な軍人だったそうですわね。退役する時、何度も引き留めたと将軍閣下から伺ったことがありますわ。」
モルガンの言葉を聞き困惑したエステルにメイベルは説明した。
「そ、そうだったんだ……。なんだか信じられないけど。」
メイベルの説明を聞いたエステルは普段のカシウスの姿を思い出し、信じられない表情をした。
「しかし、そうなると……。将軍の遊撃士嫌いは先生が原因かもしれないわね。目を掛けていた部下に去られた悔しさから来ているのかも……」
「なんかそれっぽいですね。」
モルガンとカシウスの関係を聞いたシェラザードはある考えが浮かび、ヨシュアもその考えに同意した。
「じゃあ何、父さんのせいであたしたち苦労しているわけ?あ、あんの極道オヤジぃ〜っ!」
それを聞いたエステルは拳を握って身を震わせた。
「フフ……。さて、それでは皆さん。ボースに戻ると致しましょう。定期船が見つかった事で、事件は新たな局面を迎えました。色々と相談したい事があるのです。」
「あ、うん………………………………」
メイベルの言葉に頷いたエステルは急に黙った。
「あら、どうなさったの?」
エステルの様子が変だと思ったメイベルは黙っている理由を尋ねた。
「帰るのは賛成なんだけど、何かを忘れているような……」
「そういえば……」
「何だったかしらね……?」
何かを思い出そうとしているエステルの呟きにヨシュアとシェラザードも頭の片隅に残っている何かを思い出そうとした。
「ああ……人は何と無情なのだろう。一夜を共にした仲間のことをいとも簡単に忘れ去るとは……。なんという悲劇……何というやるせなさ……。いいさ、ボクはこの暗き煉獄で一人朽ち果てて行くとしよう……」
すると隣の牢屋からリュートを弾きながら嘆くオリビエの声が聞こえて来た。
「アレがいたか……」
「うーん……完全に忘れ去っていたわね」
「気の毒とは思うけど、さすがにどうすることも……」
エステルはやっかいそうな表情でオリビエを見て、シェラザードとヨシュアはそれぞれ違う表情で見た。
「そちらの方は……噂の演奏家の方ですわね?《グラン=シャリネ》を勝手に飲んでしまったという。」
「フッ、いかにも……。しかしレディ。勘違いされては困るな。あれは前払いだよ。華麗なるボクの演奏に対するね。」
メイベルの質問にオリビエは気障な動作でに答えた。
「フフ、面白い方ですわね。ま
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