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ラスク=マイド
第四章
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 ベストは赤で黒とオレンジのアラベスク模様も縦に入っていて前を紐で縛っている。頭は白い薄い生地の帽子をピンで止めて被っている。そこにも赤い刺繍の模様が入っている。
 靴は黒の紐で縛るもので靴下は白く長いものだ。ダークブラウンの丈の長いスカートを羽織っていて赤と白のストライブや豪華な刺繍で飾っているエプロンも着けていて腰にはポシェットもある。
 その女の子達を見てだ、グスターヴォは言った。
「そうした服か」
「ああ、いいだろ」
「夏至祭の時は女の子ああした服着るんだよ」
「ここの民族衣装な」
「それ着るんだよ」
「白夜に映えそうだな」
 グスターヴォはこうも言った。
「あの服は」
「そうだな、我が国っていったら白夜だしな」
「それにオーロラ」
「夏なんてちょっとでな」
「寒いからな」
「その夏にもな」 
 グスターヴォはこうも言った。
「合うな」
「そうだろ、あのエプロンがラスク=メイドっていってな」
「頭の帽子はスカウトっていうんだよ」
「ブラウスとベストとスカートも着てな」
「ああした感じになるんだよ」
「そのまま童話にも出そうな服だな」
 グスターヴォはまた言った。
「本当にな」
「そうだろ、女の子の格好もな」
「髪型は左右を分けた三つ編みにしてな」
 北欧特有の金髪をだ。
「目は青くてな」
「そうした服とも合うよな」
「それじゃあな」
「よく似合うな」
「そうだな」
「ああ、特にな」
 ここでだ、グスターヴォはその女の子達の中でもだ。一人の女の子を見た。
 背は一七〇位ありスタイルがいい、長い金髪をスカウトの下で左右に分けた三つ編みにしている、湖の様に青い瞳でやや面長でにこにことして歩いている。
 その女の子を見てだ、こんなことを言った。
「何処かで会ったか?」
「アニタ=フォシュテンベリーだろ」
「同じ学部の娘だろ」
「ああ、あの娘か」
 友人達に名前と学部を言われてだ、彼も気付いた。
「何か違うな」
「普段と着てる服違うからな」
「それじゃあな」
「やっぱり雰囲気も違うな」
「受ける印象も」
「そうなるよな」
「ああ、本当にな」
 グスターヴォは彼女、アニタを見つつ答えた。
「目立つな」
「あっ、気になるか」
「あの娘のことが」
「そうなんだな」
「実際な、彼氏いるのか?」
 かなり具体的にだ、グスターヴォは言った。
「あの娘は」
「そこは本人に聞いたらどうだ?」
「具体的にな」
「少なくとも今は一人だしな」
「それじゃあな」
「彼女のところに行って聞いてみろ」
「本人に直接な」 
 友人達は笑ってだ、グスターヴォの背中を言葉で押した。彼もそれを受けてだった。
 実際にアニタのところに行った、そして声をかけた。
「確か君
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