第19話
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!」
デュナン公爵の宣言に応えるかのように観客達は惜しみない拍手をし、大きな喝采の声を上げた。
〜控室〜
「フフ、面白い者たちが優勝することになったものだな。」
一方選手控室から表彰式を見守っていたリシャールは大佐は微笑ましそうに見つめていた。
「まったく……。恥を知りなさい、ロランス少尉。決勝に行くどころか2回戦で、しかも4人で向かったにも関わらずたった一人に遅れを取って閣下の顔に泥を塗るなんて……。日頃のふてぶてしい態度はどうやらコケ威しだったようね?」
「……恐縮です。しかし遊撃士達は精鋭揃いである事は既にカノーネ大尉もご存知かと思われますが。何せ私と同じようにその身を持って遊撃士達の強さを感じたのですから。」
カノーネ大尉に敗北を責められたロランス少尉は口元に笑みを浮かべて尋ねた。
「何ですって……!?」
遠回しな言い方でレナの確保の失敗の件を持ち出されたカノーネ大尉は怒りの表情でロランス少尉を睨み
「はは、カノーネ君。そう責めないでやってくれ。実は私の方から、ロランス君に全力を出さないように頼んだのだ。」
その様子に気付いたリシャール大佐は苦笑いをしながら諌めた。
「えっ……!」
「…………………」
「情報部はその性質上、黒子の役に徹せねばならない。今回のように、華のあるチームが優勝する方が望ましいだろう。」
「なるほど……。公爵閣下も、あの東方人を予想以上に気に入られた様子……。目くらましにはもってこいですわね。」
リシャール大佐の説明を聞いて納得したカノーネ大尉は不敵な笑みを浮かべた。
「しかし……今年の大会は残念だったな。親衛隊のシュバルツ中尉やモルガン将軍が参加していればもっと華やかだっただろうに。」
「うふふ、お戯れを……。そういう事なら、閣下ご自身が出場なさればよろしかったのに。あの小癪なユリアなど足元にも及ばぬ腕前なのですから。それに閣下なら単独であの目触りな”獅子王”に勝てるのではないですか?」
「はは、私はそれほど自信家ではないつもりだよ。本気を出したロランス君にもあまり勝てる気がしないからね。」
「……お戯れを。閣下は少々、私のことを買いかぶりすぎているようだ。軍人とは名ばかりの猟兵あがりの無骨者にすぎません。」
リシャール大佐の賛辞を聞いたロランス少尉は謙遜したが
「これでも人を見る目は確かなつもりだ。君に対抗できるとすれば、それこそあの男や先日君が戦った『獅子王』もしくはあの男の養子である『焔の剣聖』ぐらいだろうな。」
「………………………………」
リシャール大佐の推測を聞いて黙り込ん
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