第24話
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〜ラヴィンヌ村〜
「ここがラヴェンヌ村……ずいぶんのどかなところよね。あ、果樹園があるんだ。」
「果物の生産で知られてるけど、その昔は採掘で賑わったそうよ。北の方に、廃坑になった七耀石の鉱山があるって聞いたわ。」
初めて見るラヴィンヌの風景に興味深そうに見ているエステルにシェラザードは説明した。
「ずいぶん詳しいですね。前にも来たことがあるんですか?」
「正遊撃士になるために、修行の旅をしていた頃にね。あの時は、飛行船に乗らずに王国全土を歩き回ったもんだわ。」
ヨシュアの疑問にシェラザードは昔を懐かしむような表情で答えた。
「え、どうして?飛行船を使った方が便利なのに。」
一方エステルはシェラザードの行動がわからず、首を傾げた。
「『飛行船は確かに便利だが、五大都市しか行き来していない』『その便利さに慣れてしまうと他の場所に目が行き届かなくなる』『まずは、自分が守るべき場所を実際に歩きながら確かめてみろ……』――そんな風にカシウス先生に勧められたのよ。」
「へえ、父さんが……」
「確かに、事件が起こった時、そこが行ったことのない場所だと手遅れになる可能性もありますね。あと、犯罪者を追いかける時にも地理を知っていた方が有利ですし……」
シェラザードの説明にエステルは感心し、ヨシュアは頷いて同意した。
「ふふ、そういうこと。さてと、それはともかく……。例の目撃情報について調べてみるとしましょうか。」
シェラザードに調査を促されたエステルだったが、いきなり村の人全員に聞いて回るのも妖しいので村長に事情を話すことにした。そして村長からはある子供がエステル達が注目していた情報を持っているようなことを聞いて、エステル達はその子供を探した。しばらく村を歩きまわると池の桟橋に一人の男の子がいたので情報の元の少年かと思い近付いた。
「あれ、お姉ちゃんたち、見かけないカオだね……。フルーツ買いに来た商人さん?」
エステル達の足音に気付いた少年はエステル達の顔を見て疑問に思ったことを呟いた。
「ふっ、それが違うのよね。何を隠そう、遊撃士よ!」
「ブレイサー?アガットお兄ちゃんと同じ?でもお姉ちゃん、そんなに強そうには見えないけど……」
気取って答えたエステルに少年はエステル達を見て、呟いた。
「うぐっ。はっきり言ってくれちゃって……。でも、この華麗な棒術を見て果たして同じことが言えるかしら!」
少年の呟きにエステルは図星をつかれた表情をした後、気を取り直し棒を取り出し、回転させた。
「わ、わわ!クルクル回ってすごいや!」
「むふふ、思い知ったかね。それじゃ、もっと凄い技
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