第24話
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を……」
「エステル、はしゃぎすぎ。それよりも……もしかして君がルゥイ君?」
驚いている少年にエステルは胸を張りさらに何かをしようとした時、ヨシュアはエステルの先の言葉を遮って少年に確認するように話しかけた。
「あ、うん……。どうして名前を知ってるの?」
「村長さんに聞いたんだ。君が、空飛ぶ影を見たってね。その時のことを聞きにきたんだ。」
自分の名前を言われた少年――ルゥイは首を傾げて答え、ヨシュアはルゥイに話しかけた理由を言った。
「え、でも……。兵隊さんが調べて何も見つからなかったって……」
「うん、それでもいいんだ。僕たちにも教えてくれないかな?できる限り詳しくね。」
自信なさげに答えるルゥイにヨシュアは諭すように言った。
「う、うん……………………………………」
ヨシュアの言葉にルゥイは頷いて少しの間考え、やがて口を開いた。
「あのね……ボク、星を見るのが好きなんだ。それで、夜中に家を抜け出して、ここで星を見たりするんだけど……。このあいだの夜、夜空に2つの影が動くのを見かけたの。」
「え、ちょっと待って……。空飛ぶ影って2つもあったの?」
ルゥイの言葉とナイアルから得た情報が微妙に違っていることに気付いたエステルはルゥイに確認した。
「うん……。あっ、大きさは違ったよ。まるで親子連れみたいだった。」
「大きさの違う2つの影……」
「定期船と空賊艇……そう考えると辻褄が合うわね。」
「確かに、森に現れた船は定期船よりも小型でしたね。」
ルゥイの情報からエステルは考えるように呟き、シェラザードとヨシュアはその情報に正当性がありそうであることに頷いた。
「それで、その2つの影は北の方に飛んで行っちゃって……。そのまま見えなくなっちゃった。」
「北っていうと……」
「村の裏口からさらに山道が続いているわ。ずいぶん昔に廃坑になった七耀石の鉱山があるみたいね。」
さらに続くルゥイの情報にエステルはシェラザードに場所の確認をして、シェラザードはそれに答えた。
「兵隊さんたち、北の山道をテッテイ的に調べたんだけど、なにも見つからなかったって……。だから、ボクが寝ぼけて夢を見たんだろうって言って……。それで……バカにしたように笑って……」
ルゥイは兵達にバカにされた嫌な記憶も思いだし、顔を下に向け瞳から涙が出始めた。
「ああ、もう……男の子が泣いたりしないの!あたしたちは兵隊とは違うよ。君の話が夢なんかじゃないって、ちゃんと証明してあげるんだから!」
「ほ、ホント……?」
エステルの慰めの言葉にルゥイは顔を上げた。
「ホントも
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