第23話
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ナイアルの情報の真偽を確かめるためにエステル達はボース西街道の先にあるラヴィンヌ村へ続く道、ラヴェンヌ山道を歩いていた。
〜ラヴェンヌ山道〜
「あれ……?」
エステルは山道から下って来る人物に気が付いて立ち止まった。
「おっと……」
下って来た人物――アガットもエステル達に気付いて近付き立ち止まった。
「シェラザードか。珍しいところで会うもんだな。」
エステル達の中にシェラザードの姿を見たアガットは口を開いた。
「それはこっちの台詞だわ。王都方面からこっちに移ってきたって話は聞いたけど、あんたも事件を調べに来たクチ?」
「いや、ヤボ用でな……。そういや、例の事件は空賊の仕業だったらしいな?しかし、お前が来たんだったら安心して任せられるってもんだ。せいぜい頑張ってくれよ。」
「なによ、冷たいじゃないの。先生が捕まったかもしれないって、あんたも聞いているはずでしょう?」
協力的でないアガットにシェラザードはムッとして言い返した。
「捕まった?あのカシウス・ブライトが?はははッ、冗談キツイぜ!あの喰えないオッサンが空賊ごときに遅れをとるもんか!なんかの間違いに決まってるさ。」
「あたしもそう信じたいけど……」
シェラザードの発言にアガットは笑い飛ばして否定し、言った本人であるシェラザードもあまり確信を持てなかったため溜息をついた。
「(何なのかしら、この人……)」
「(分からないけど……遊撃士であるのは確かみたいだね。)」
エステルとヨシュアはアガットの正体を知らないため小声で何者かを話していた。そしてアガットはエステル達にも気が付き、シェラザードに聞いた。
「ところで……そこのガキどもはなんだよ?見たところ、新入りみたいだが。」
「ふふん、聞いて驚きなさい。カシウス先生のお子さんよ。」
アガットの疑問にシェラザードは自慢をするように言った。
「こりゃ驚いた……あのオッサンの子供かよ。ふーん、こいつらがねぇ……………………………………」
シェラザードの言葉に驚いたアガットはエステルとヨシュアを注意深く見た。
「な、なによ?じろじろ眺め回しちゃって……」
アガットの様子にエステルは戸惑った。
「黒髪の小僧はともかく……そっちの娘はドシロウトだな。本当に、オッサンの娘なのか?」
「あ、あんですってー!?」
一通り見たアガットの結論にエステルはムッとした表情で声を上げた。
「彼女は正真正銘、カシウス・ブライトの娘です。僕の方は、養子ですけど。」
「そうよ。それにこの子はちょっと特別でね。」
「特別?どういうことだ?」
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