第22話
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テルは身を乗り出した。
「ああ、例の定期船だって誰が聞いたって思うだろ?だが実際、軍の部隊が行っても何も見つけられなかったらしい……」
「なーんだ。期待して損しちゃった。」
「つまり、単なる見間違い?」
しかしナイアルの答えを聞いたエステルは肩を落とし、シェラザードも溜息をついた。
「だから言っただろうが!大したネタじゃないって!こんなネタでも、情報規制下じゃ集めるのに苦労したんだからな!」
2人の様子を見たナイアルは吠えるように答えた。
「ご苦労さまです。それで、もう1つのネタは?」
「くっ……。……もう1つは、軍の情報部が動き始めているらしいってことだ。」
先を促すようにしたヨシュアの態度に弱冠の悔しさを覚えつつナイアルはもう一つの情報を話した。
「情報部?」
「噂は聞いたことがあるわね。最近、王国軍に新設されたばかりの情報収集・分析を行う集団だって。」
なんのことかわからないエステルにシェラザードは説明した。
「ああ、王室親衛隊と並ぶほどのエリート組織だって触れ込みだぜ。司令を任されているリシャール大佐という人物がこれまたキレ者っていう噂でな。今回の事件も、彼にかかったら解決確実と囁かれているらしい。」
(………リフィアお姉様、ご存じでしたか?)
(………いや、情報部やリシャールとやらは余も知らぬ。恐らく最近できたのであろうな。しかし「情報部」か……)
(…………念のためにお父様に調べて頂いたほうがいいのでは?)
(………そうだな。まあ、例え情報部とやらが余達を探っていたとしても、余達の弱みは握れまい。兵達の情報徹底はしているし大使館の警備も固いしな。)
(ええ……お父様の弱みとなるであろう方はいますが、傍にはお父様を含めメンフィル屈指の戦士達がいますし、その情報は私達を除いて”過去のあの方”を知っている人しか知りませんしね……)
ナイアル達の会話を黙って聞いていたプリネ達はきな臭さを感じて警戒する会話を小声でしていた。
「ふーん……。でも、あたしたちの捜査には役に立たない情報のよーな。」
プリネ達の会話に気付いていないエステルはナイアルの情報に辛辣な意見を言った。
「悪かったな、役に立たなくて!だが、約束は約束だ!お前たちも喋ってもらうからな!」
エステルの言葉にナイアルは叫んでエステル達を睨み、ヨシュアに記事の内容になるであろう情報の提供を求めた。
「ええ、それはご心配なく。」
ナイアルの言葉にヨシュアは冷静に答えてモルガンから得た情報を一通り伝えた。
「空賊団の『カプア一家』……王家と飛行船会社に身代金要求……メンフィルの静観。それ
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