第20話
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能力を確かめるために、アネラスにはエヴリーヌ嬢ちゃんと。グラッツにはリフィア嬢ちゃんと、アガットはプリネ嬢ちゃんと手配魔獣を倒しに行ってもらったんじゃが、結果を聞いて驚いたわい……まず、エヴリーヌ嬢ちゃんは弓矢で目にも止まらぬ速さで次々と手配魔獣や配下の魔獣を倒し、帰り道で出会った魔獣も魔術で一撃だったそうじゃぞ……」
「………僕も彼女の戦いをボースに向かっている途中の魔獣との戦闘で少しだけ見ましたが、魔術も当然のことながら彼女の弓技は誰にも真似はできないでしょうね。」
「そりゃあ、そうでしょう。彼女は”魔神”なんだから私達とは体の創りからして違うし、あの外見で騙されてしまうけど私達の何千倍も生きているんだから実力も豊富なんでしょうね。」
ルグランとヨシュアの言葉にシェラザードは自分達とはあまりにもかけ離れている存在であるエヴリーヌに畏怖を持ちつつ答えた。
「あはは……ほかの2人はどうだったの、ルグラン爺さん?」
シェラザードの言葉にエステルは引きつった笑顔で笑った後気になるほかの2人のことを聞いた。
「うむ……リフィア嬢ちゃんに至ってはたった数秒で手配魔獣を含めて周囲の魔獣達を魔術で全滅させたそうじゃ……」
「例えアーツの数倍は勝っていると言われている魔術でも豊富な体力を持つ手配魔獣を一撃なんて私やエステルでは絶対にできないわ。とんでもない魔力がある証拠よ……プリネさんでさえ私達より上なんだから。やっぱりあのメンフィルの姫殿下達と私達は格が違うわね………」
シェラザードは改めてリフィアの凄さを知り溜息を吐いた。
「何を言っておる、魔術が使えるお主達も十分凄いではないか。魔術は基本的にメンフィルの出身者、あるいはアーライナやイーリュンの一部の信者達しか使えないのは2人とも知っているじゃろ?」
ルグランはシェラザードの溜息が贅沢な溜息に聞こえ指摘した。
「………まあね。私は幸運にも師匠――――闇の聖女様に師事をお願いする機会があったから恵まれているとは思っているわよ……(最もこの娘ほどではないけどね)……」
そう言ってシェラザードは横目でエステルをチラリと見た。
(??なんで、あたしを一瞬だけ見たんだろう、シェラ姉……)
(この様子だとわかっていないみたいだね………まあ、エステルらしいか。)
ペテレーネを含めてメンフィルから特別扱いされ、精霊の協力を得ている自分のことだとわかっていないエステルをヨシュアはエステルらしいと思った。
「……プリネ嬢ちゃんに関してなんじゃが……アガットの奴、手配魔獣はプリネ嬢ちゃんが信用できないと言って自分で倒した後、試験と言ってプリネ嬢ちゃんにいきなり模擬戦を仕掛けたそうなんじゃよ……」
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